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2007年8月13日 (月)

お引越しなの!2 StS 9

 
 
 
 六課を後にした私たちは街路樹の緑眩しい道を走っています。今日もドライブ日和です。
助手席に座った私は、部屋の見取り図を前に買い物の計画を相談中です。
「今日は何を揃える?」
「昨日買いそびれた鏡台に、中くらいの収納に……ソファーとか?」
「そっか、ソファーがないね。え~っと……場所は窓辺が良いかな。折角南向きなんだし」
「うん。あ、そうだ。今度はちゃんと大きさを考えて買わないとね」
「えー、大丈夫だよ。シャーリーが搬入用の入り口を教えてくれたじゃない」
「あっ、そうだったね。すっかり忘れてた。……えへへ」
「んもー。フェイトちゃんの~うっかり屋さん♪」
「きゃぁー!?」
 可愛いフェイトちゃんのほっぺを突付いてあげると、その分ハンドルを右に切ってしまいました。
酷くタイヤが路面を擦る音が響き、右往左往して車内はてんてこ舞いです。
そんな中、きゃーっと悲鳴を上げながらフェイトちゃんに抱きつく事を忘れない私。
でも、空戦をこなしている私たちにしてみれば、この程度はどうと言うことはないのですけど。
 
 
 
 
 
「ふ、ふぅ。もう、なのは。運転中は危ないからダメだって言ったじゃない」
「ほっぺを突付くぐらいなら大丈夫だと思ったから……ごめんなさい」
「うぅ……ホントに気をつけてね。運転中じゃなかったら、その、良いから///」
「……うん!今日からそうするね!」
「なのはったら、せっかちなんだから~」
 少し照れながらもそう言ってくれるフェイトちゃん。
余りの可愛さに抱きつきたくて堪らないのに、そういうのはダメだって言われたばかり。
このウズウズする手と気持ちを、狭い車内の助手席で持て余すばかりでした。

「到着~。今日も空いてるみたいで良かったね」
「混雑情報も確認したら大丈夫みたいだよ、今日もゆっくり選べるかも」
「でも、あんまりゆっくりしてると、またはやてちゃんに叱られちゃうし気をつけないと」
「うん。ちゃんと気をつけようね」
 
 
 
 
 
 車から降りると直ぐにフェイトちゃんの手を握りに行きます。
びっくりしたフェイトちゃんは一瞬、手を引こうとしてしまうけど、手を抜くほどではなくて。
少し頬を桜色に染め、一息あってからゆっくりと指を絡めて握り返してくれました。
しっとりと吸い付くような手の平の、指の感触を楽しみながら、店内に足を向けました。

「家具売り場は寝具売り場の奥だったっけ?」
「そうだね。時間あるからカタログ見ておく?はい、どうぞ」
 二人の間に現れるモニタ。
向こう側が透けているといっても注意が必要。見入っちゃうと危ないんだよね。
「へー、やっぱり大きなお店だからいっぱいあるんだね~」
「わわっ!?」
「どうしたの?フェイトちゃん」
 モニタを前に顔を突き合わせちゃう私たち。
目の前に迫ったフェイトちゃんの顔は、その深紅の瞳に負けないほど赤く染まっていました。
 
 
 
 
 
「その、急だったから……なのはの顔が」
「あっ///」
 二人の顔が近い。フェイトちゃんの言葉に遅れてその事を認識した私。
みるみる自分の顔が、身体が、赤く熱く火照っていくのが分かります。
触れ合った手の感触だけが違和感のあるほど意識されて、思わず力を込めてしまいました。
「あ、あの、なのは?どうしたのかな///」
「う、ううん。何でもないよ、ただ。フェイトちゃんの顔が近くて、えっと///」
「わた、私も、なのはの顔が近くて、急に」
「えへへへ。驚かせちゃってゴメンね」
「気にしないで。別に、そんな嫌なことじゃないから。寧ろ……」
「ん?なぁに?」
「ううん!気にしないで!ほ、ほら、早く行かないと時間なくなっちゃうよ!」
「えー、今日は早くに出てきたから大丈夫だよ~。ねぇー、それより寧ろなんなの~?」
 私を引っ張って、ずんずん先を行くフェイトちゃん。なんだか夢の続きのようで。
でも、手から伝わる温もりが、これが紛れもない現実なのだと感じさせてくれるのです。
 
 
 
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