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2007年9月30日 (日)

予告

 
 
 
 今度から掲載していこうと思うSSの予告です。
 
 
 

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2007年9月29日 (土)

風邪ひきザフィーラ 後

 
 
 
・そして夜

「別にいいのだぞ?」
「家族が病気なんだから心配すんのは当たり前だろ」

 リビングに布団を敷き、そこへザフィーラを寝かせる。
ベッドの空きがなく、風邪が感染ることを防ぐには隔離しなければならない。
シャマルだけが少し渋っていたが、シグナムにはやては仕方ないと割りにさっぱりしていた。
しかし、それでザフィーラが不満に感じた節も無く、いつもの寝床で充分だと言い出したぐらいだった。
押入れから余りの布団一式を取り出してくるが、しまいっ放しで気持ち埃臭い。
そうは言っても今更干すことが出来るはずも無く、一晩の我慢ということで納得した。
が、その布団も背丈は相変わらずのザフィーラは足がはみ出てしまう。
それを見てからもう一式……は流石になく、毛布や何やらで代用。
一人ザフィーラをリビングに残し、家族総出の大騒動。
やっとのことで就寝に至ったという訳である。
そこでヴィータは何をしているかと言うと、ついでに持ち出した毛布に包まりソファーに寝ていた。

「そうか……スマンな、ヴィータ」
「気にすんなって! ところでさ、寒くないか?」
「いや。みなが布団に毛布を揃えてくれたお陰で温かいぞ」
「そうか。風邪ひくと寒くなるって言うからさ」
「風邪とは言うものの、幸いその症状はないようだ」
「なんだ……寒いんだったら一緒に寝てやろうかと思ったのによ」
「それではお前に感染ってしまうではないか」
「あ、うん、まぁ、そうなんだけどよ」
「心配してくれるのはありがたいが、お前まで病気になってはな」
「う、うぅ……大失敗じゃねーか……」
「何か言ったか?」
「い、いいや! あんでもねーよっ!」
「???」
「病人なんだから早く寝ろ! そいじゃな、お休みだ!」
「あ、ああ」

 何か面白くなかったらしく、ヴィータは毛布を頭まで被りそっぽを向いてしまう。
これでは何の為に一緒にいるのかと思ったザフィーラだったが、その厚意だけでも充分だと、何も言わなかった。

 

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2007年9月28日 (金)

風邪ひきザフィーラ 前

 *SSにイラストを転載させていただきました。
 
 
 
「ふぇっくしょい!」
「あれ。どないしたん、ヴィータ」
「うう……なんだか夜になると急に寒くなった気がするぞ」
「季節の変わり目やしね。お昼は暖こうても夜はそれなりに冷えるモンや」
「ヴィータちゃん。こういう時に風邪をひきやすいから気をつけてね」
「大丈夫だって。子どもは竹の子だってはやてが言ってたしさ!」
「ヴィータ。それを言うならお汁粉や」
「主。風の子です」
 
 
 

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2007年9月27日 (木)

日記 今後の予定

 
 
 
 既にご覧になった方もいらっしゃる、リリカルなのはStS最終話ですが
放送中から書きはじめたSSは終わってみると矛盾も多く、それもあって中々手が出ない方もいらっしゃったかと。
(お引越しなの! は兎に角なのフェSSなので設定は良いのです)
ただ、それも放送が終わってしまえば心配する必要もありません。
来月発売のサウンドステージ、そしてメガマガで連載中の漫画が終わったところで
本格的にStS基準でSSを始める方も多いと思います。ああ、楽しみ。

 と言っておきながら、当ブログでは相変わらず本編とは関係なくSSを載せて行く予定です。
一つ長めの物を書きながら、短編を挟んでいこうと思っています。
内容は……秘密です。
 
 
 
 今日は9月分、前半のweb拍手に返事を書かせていただきました。

 

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2007年9月26日 (水)

ヴィータの歪んだ愛情

 
 
*特にネタバレ要素はありませんが、時間軸は26話中のお話になります。
 
 
 

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2007年9月25日 (火)

日記 なのはStS 26話へ

 
 
 
 次のSSの目途が全く立ちません。
当ブログ始まって以来のピンチ。どうしたものか。
 
 
 
 なのはがヴィヴィオの母親になることに距離を置いていた事。
その理由が「私は空の人間ですから」と言うことが語られたとき、違和感を覚えました。
(キャラクターをどのように解釈するのか。勝手なもので、他人が見ればそれこそ違和感でしかないのですが)
そのなのはの理由は、他のキャラであるなら「ヴィヴィオに心配かけたくないから」という訳であると想像出来ます。
でも、なのはがそのように言うとは思わなかったのです。
なのはは、フェイトの強い意思を秘めた瞳の奥に宿る寂しさを、本能的に感じ取り、幼少期に家族といられなかった自らに重ね
「一緒にいること」を選び、それをフェイトに伝えました。
それはA'sでのリインフォースにすら向けられ、差し伸べられたモノだと思っていました。
ですから、ヴィヴィオに対しても当然そのようにすると思っていたのです。
しかしなのはは、ヴィヴィオの為に離れる、手を離すことを選びました。
これについては、「入局2年目の事故がなのはを変えた」という指摘を受け、まさにその通りだと思います。
でも、それでもなのはは「ちゃんとヴィヴィオのところに戻ってくるよ」と抱きしめてあげるようなキャラクターだと思っていたのです。

 ヴィヴィオが連れ去られた後のなのは。
そして25話の「助けるよ! いつだって、どんな時だって!!」 に勝手な妄想で募らせた溜飲が下がる思いでした。
ここから、本当の「なのはママとヴィヴィオ」の親子の関係が始まるのですね。

 ああ、4期はなのはママとフェイトママとヴィヴィオのまったり高町一家物語やってくれないからしら。(結局コレが言いたかっただけですが)

 
 
 遅ればせながら8月分のweb拍手に返事を書かせていただきました。

 

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2007年9月24日 (月)

日記 お引越しなの! おまけ

 
 

 長らくお付き合いいただきありがとうございました。
「お引越しなの!」は昨日の分で全て終わりです。
「おまけ」に関しましては、一日目のお風呂描写を望まれた方がいらっしゃいましたので書きました。
後で書いたので、なのはの感じが少し違うかな。というのはご容赦ください。

 このSSは本編が始まる前、というか機動六課が正式に発足する前の話です。
ですから、これからスバルやティアナ、キャロにエリオが合流したりするわけです。
「お引越しなの! 2」の後書きでも触れましたが、さらにヴィヴィオまで加わってしまいます。
部隊長であるはやてと副隊長のヴィータの気苦労は絶えそうにありません。
想像するだけで楽しそうです。

 

 頂いたままのweb拍手に遅まきながら返事を書かせていただきました。
まず、7月分になります。

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2007年9月23日 (日)

お引越しなの! おまけ 12

 
 
 
「ふぅー。気持ち良いねぇ~」
「う、うん///」
「ねぇ、もっとこっちおいでよ」
「ひゃっ。あ、あ、うん」
「せっかく広いお風呂なんだから、ね?」
「そ、そだね///」

 身体を流し終わってゆっくり湯船に浸かる。
さっきよりちょっとだけ間を開けて浸かるフェイトちゃん。
勿体無いから、もっとくっ付きたくて腕を伸ばすと、今度は素直に私に抱き寄せられてくれる。
腕の中にすっぽりと収まってくれるフェイトちゃん。
さっきは頭をコツンと合わせるだけだったけど、今度は身体ごとこっちに預けてくれる。
肩だけじゃなくて、身体がぎゅっとくっ付いて。
ぴったりと寄り添った触れる肌の感触をゆっくり楽しむ。
すると、フェイトちゃんの方から頭をコツンと合わせてくれた。

 


 
「……ねぇ、なのは」
「さっきはゴメンね、フェイトちゃん」
「う、ううん。私こそ、その……変に取り乱しちゃって」
「気を悪くしないでね。えっと、あの時のフェイトちゃん、とっても可愛かったよ」
「え、えええっ///!?」

 身体を離そうとするけど、せっかくくっ付いたんだもん。離してあげないよ。
ぐっと腕に力を込めて、逃げるフェイトちゃんを抱き寄せる。
ジタバタと暴れるけれど、今度は右手も使って抱きつくの。
胸をギューッと腕にくっ付けて、驚いたフェイトちゃんは動きを止めてしまいました。
こうなってしまえば私の勝ち。
コレだけ密着してしまえば、もう暴れたり離れたり出来ないから。
ニコニコとフェイトちゃんの顔を覗き込めば、赤くなって俯いてしまう。
これはお風呂の熱さのせいじゃないよね?

 


 
「だ、だって。そんな、私、恥かしいよ」

 腕の中で身体を捩って、恥かしげに俯く。
いつの間にか大人っぽくなって、少し距離を感じていた私にとって、あの反応は貴重だった。
何故だか昔に戻れたような、やっぱり変わってないんだなって。そんな感じ。
俯いたフェイトちゃんを横に感じながら、ふと天井を見上げると、大きな窓が見えました。

「……あっ、どうして灯り消しちゃうの?」
「ねぇ、見てみて?お星様」
「あっ……本当だ。すっごく綺麗」

 浴室に入ったときに見つけた天井の窓。
そこから見える満天の星空。それを眺める為に浴室の灯りを落とした。
真っ暗な浴室に、天井の窓から下りてくる月明かり。
丁度浴槽の手前までを照らしていて、そこだけがスポットライトの当たった舞台みたい。
真っ暗な中で、隣のフェイトちゃんすら、しっかり表情が見えません。

 


 
「天井についてるならマジックミラーでも良いのに」
「うん、そうなら、この月明かりは本物になっちゃうね」

 段々と目も慣れてきた。
フェイトちゃんも、いつの間にか顔を上げて窓の向こうに見える星たちを見ていた。

「ほら、フェイトちゃん。もっとこっち来て?」
「もう、これ以上寄れないったら///」
「だったら、さっきみたいに頭だけでも私にコツンってして」
「……ウン。こ、これで、良いかな///?」
「えへへ。やっぱり良いね」
「やっぱりって、何が?」
「……フェイトちゃんと一緒に、一緒の目線でお星様を見るのって///」
「……うん。私も今、そう思ってたところ///」
「そ、そっか。えへへ///」
「う、うん。えへ///」

 窓からの光りでほんのり照らされた顔と髪の毛は、お星様の輝きにも負けてない。
なんて思っちゃったけど、なんだかそんな言葉にするのも野暮な雰囲気。
結局、このまま良い雰囲気でまどろんでしまってフェイトちゃんは逆上せてしまいました。
 
 
 
 
 
 おしまい。
 
 
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2007年9月22日 (土)

お引越しなの! おまけ 11

 
 
 
「もう残ってないかな」
「うん、大丈夫だと思う。こっちのは余り心配しなくて良いし」
「それでも心配だよ、フェイトちゃんのこと」
「あ、ありがとう……///」

 髪を流し終わって、大方の水分を拭き取る。
丁寧に髪を纏めてタオルで頭全体をくるんであげた。
露になる項。いくつか飛び出た後れ毛が色っぽい。

「ごめんね、なのは。私が先にしてもらっちゃったから冷えたりしてない?」
「ううん、大丈夫だよ。そのための空調だしね」
「でも、頭から冷えたら風邪引いちゃうし。早く洗っちゃお?」
「じゃあ、フェイトちゃんがしてくれる?」
「わ、私が!?」
「うん。洗ってあげるのも久しぶりだから、洗ってもらうのも久しぶりなんだもん」
「あ、えっと……はい。喜んで///」
「わーい。それじゃ、お願いね♪」

 


 
 私がしたのと同じように丁寧に髪を梳かして、髪の汚れを取ってくれる。
髪の毛の間を通っていくフェイトちゃんの指。
今日幾度も繋いだ指の感触が、髪の毛を通して感じられる。
繊細で、少し冷たいフェイトちゃんの指がまた違った風に感じられます。
後ろにいるから私の顔は見えない。
じっくりとその感触を味わうために、私は目を閉じて髪の毛に意識を集中させました。

「じゃあ、流すね。目、閉じててよ?」
「大丈夫だよ~。フェイトちゃ~ん」
「また意地悪する……」

 そういうつもりじゃなかったけど、フェイトちゃんはそう感じたみたい。
言い訳しようかと思ったけど、その言い方が可愛くて、そのままでも良いかなぁ~って。
頭の後ろで、何か呟いてる。
そんな言い訳するから、やっぱり気にしてるのかなって思っちゃう。
その拗ねた顔が見られないのが少し残念でした。

 


 
「今からシャンプーするね。冷たいかもしれないから気をつけてね」
「はーい」

 手の平で泡立てている音が聞こえる。
次いで頭全体を手の平で泡を馴染ませてくれると、ゴシゴシし始めてくれた。

「どう、なのは。久しぶりだけど上手に出来てるかな」
「うん。前と全然変わってない。いつも通り、とっても気持ち良いな~」
「前と変わってないって……覚えててくれたの?」
「もちろん。フェイトちゃんのことだもん。じゃあ、フェイトちゃんは?」
「私が、なに?」
「フェイトちゃんは私の仕方、覚えててくれた?」
「も、もちろん!当たり前だよ!なのはのことだもん!」

 フェイトちゃんの声が近くなる。
齧り付くように喋ってる様子が手に取るように分かって、それが可愛い。
髪で隠れた顔は、にんまりと頬を緩ませるのでした。

 


 
 お湯を汲んで洗い流してくれる。
髪の根元、頭皮に残らないように丁寧に丁寧に。
髪の毛を洗ってくれてるときにも感じたけど、力が篭ってるようで優しい。
頭皮を撫でる指も、髪の毛の間を滑る指からも伝わってくるフェイトちゃんの優しさ。
それだけ気持ちを込めてくれてるってことなのかな。
フェイトちゃんの気持ちが伝わってきてると思ったら、もっと幸せな気分。
もうちょっと洗ってくれてても良いのに。
髪の毛を洗い終わるのが惜しいなんて、久しぶりの感覚でした。

「綺麗に流せたかな」
「ありがとう。やっぱりフェイトちゃんが一番気持ち良いよ」
「ほ、ホント?嬉しいな」
「うん。キャロとエリオが羨ましいなぁ~って。二人は髪の毛洗うの好きでしょ」
「どうして?」
「フェイトちゃんにして貰えるなら、イヤだって思うはずないもん」
「あ、ありがとう///」

 照れすぎたのか、髪の水分をとるタオルがわしわしと動く。
ちょっと痛かったけど、何か言いながら慌てているのが可愛いので、止めさせるのが勿体無いです。
だから、うんうんと相槌をうっては、フェイトちゃんを照れさせるのでした。
 
 
 
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2007年9月21日 (金)

お引越しなの! おまけ 10

 
 
 
「さぁて、洗っちゃうよ~」
「あ、あのね、なのは。やっぱり自分で洗うよ」
「えぇー。フェイトちゃん、いつの間に一人で出来るようになったの?」
「ひ、一人で出来ない訳じゃないんだよ?その、ちょっと目を瞑らなくちゃいけないだけで……」
「そっか、そうなんだ……残念」

 そうだよね。フェイトちゃんだっていつまでも子どもじゃないんだし。
いつまでもそういう訳にはいかないよね。
でも……久しぶりにフェイトちゃんの頭。洗ってあげたかったなぁ。

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2007年9月20日 (木)

お引越しなの! おまけ 9

 
 
 
 先に調べ物したときお風呂の機能がリストしてあって、その中で幾つか試してみたいのがあったの。

「な、なにを……?」
「えぇっとね、この、ツタセヨ?お風呂になさそうな感じが気になって」
「少し怖い気もするけど……信じてるよ、シャーリー」

 辺りを警戒し始めるフェイトちゃん。
シャーリーは普段なにをしてるんだろう。うぅん、恐ろしい。
フェイトちゃんの警戒振りに聞くのもはばかれる感じです。

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2007年9月19日 (水)

お引越しなの! おまけ 8

 
 
 
「もう。邪魔しちゃヤだったら、なのは」
「えへー、こんな魅力的なお尻のフェイトちゃんがいけないなの」
「え、え?私のせいなの?」
「うふん、そういう事になっちゃうかな?」
「そ、そんなこと言われたって困るよ、なのは……」
「ううん、うそ。冗談だよ~」
「ちょ、ちょっと。抱きついたら駄目ったら」
「どうして、良いじゃない~。お風呂の醍醐味だよ?」
「そんな醍醐味知らないったら、わ、わわっ///」

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2007年9月18日 (火)

お引越しなの! おまけ 7

 
 
 
「ねぇ、本当に駄目?」
「駄目だよ、駄目ったら駄目」
「うぅん、残念」

 背中を洗ってもらった後、私がフェイトちゃんの前も洗ってあげるーって言ったのに
フェイトちゃんは顔を真っ赤にして全力で断ってくるのです。
今度私も洗ってもらうなら、先に私がして上げようって思ったんだけどな。
あぁ~、この手の平に残るあのフェイトちゃんの豊かな膨らみの感触。
もう一回触るチャンスだったのに……残念。

「…………」
「(じぃ~)長いね、フェイトちゃんの足」
「え、え?私の足がどうかしたの?」

 残念な私は未練がましくフェイトちゃんの身体の上を滑るスポンジを見ていました。
鎖骨や胸やお臍や腰に足、スポンジの移動に合わせて動く私の視線。
その中で、特に滑るスパンの長い腕と足。
フェイトちゃんは身長が高くて、その手足の長さは特筆モノです。
特に足の長さは抜群で、私たちとの身長差は足の長さだと言っても過言でもありません。
隣に立つたびに、はやてちゃんが羨ましがってたのを思い出しました。

 


 
「あのね。足が、特に膝下が長いな~って。はやてちゃんが羨ましがってたよ」
「そ、そう?背が高いから自然と長くなってるだけだと思うんだけど」
「違うよ~。だって座高は殆ど変わらないんだもん」
「……なんで知ってるの?座高の高さ」
「さ、さぁ~?何でかなぁ~?」

 訝るような目で私を見る。
うぅ、それははやてちゃんに教えてもらったのがホントの所なんだけど、これは絶対内緒なの。
バレちゃうと、もうフェイトちゃんの事を教えてもらえなくなるから。
ここは何としても切り抜けないと。

「ええっと……あ、そうそう!同じ椅子に座ってて、頭の高さが余り変わらなかったから、それで」
「あ、そ、そっか。えへへ、なのはって良く見てくれてるんだね///」
「あは、あはははは。そうなの、そういうことなの」

 存外あっさりと納得してくれたフェイトちゃん。
その上になんだか照れてしまって、恥かしげに俯き加減になっています。
騙しておいてなんだけど、その素直さが私は心配になってくるよ……

 


 
「さ、さて。身体、流しちゃおうかな」
「うん、そうだね」

 フェイトちゃんばかり見ていた私は慌てて足を洗う羽目に。
その間にもフェイトちゃんは腰を上げて、壁に設置されたシャワーのところへ移動してる。
手をかざして水を出すこのシャワーは、これも便利なのか不便なのか悩むところ。
だって、未だにカランを探しちゃうんだもん。
ただ単に、日本に居た頃の違和感が拭えないだけだと思うけど。
これって私だけかな。

「あ、身体を流すだけならシャワーより桶の方がやり易いかも」
「湯船のお湯?」
「うん。高いところについてるから。頭洗わないときはその辺り不便かも」

 シャワーを諦め、ペタペタと湯船へ向かっていく。
座って視線の低い私は、フェイトちゃんの長~い足を存分に堪能できる事に気付きました。
ほほ~う。これは素敵な発見なの。
うん、明日からも一緒に入るチャンスがあったら、なるべく座っていようっと。

 


 
「よいしょ、ふぅ。空調効いてるけど、やっぱり少し冷えるね」
「そう?なら早く洗っちゃわないと」

 膝を着き、桶で肩からお湯を流すフェイトちゃん。
ちょっと首を傾げ、肩から背中へお湯を流す仕草はとっても色っぽくて、とっても絵になる。
お湯の流れに従って落ちていく視線。
さっきまで洗うために触っていた背中に、形の良いきゅっと持ち上がったお尻。
良いなぁ、フェイトちゃん。

「よいしょ、さて。もう片――きゃっ!?な、なに?」
「えへへ、驚かせちゃってごめんね。あんまりにも可愛いお尻だったから、つい」
「お、お尻って、ちょ、駄目だってなのは!あ、あん!」
「ほらほら、この辺りまだ泡が残ってるよ?」
「分かってるったら。だから邪魔しないでぇ」

 汲み掛けの桶を湯船に落とし、私の手から逃れようとするフェイトちゃん。
そんなに嫌がらなくても良いのにぃ。
 
 
 
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2007年9月17日 (月)

お引越しなの! おまけ 6

 
 
 
「なのは、スポンジ貸して?」
「はーい。それと、これ。ボディーソープね」
「うん、えぇっと……何これ、"お肌すべすべヌルヌル"って///」
「それを使うとお肌すべすべになるんだって、ラベルに書いてあったから」
「そ、そうなんだ。ヌルヌル……」
「美白効果もあるんだって。フェイトちゃんには必要なかったかもしれないけど」
「だったらなのはにだって必要ないよ」
「う~ん、私だって割と自信ある方だけどフェイトちゃんには敵わないよ」
「そんな事ないったら。なのはのこの辺り、凄く白くて綺麗だよ」

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2007年9月16日 (日)

日記 チャーハン

 
 
 昨日のご飯の残りがあるのに、冷凍食品の炒飯を食べるなんて酷い。
あなたの今日の晩ご飯はおにぎりよ。

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 「真っ暗で前が見えないニャ」
 「(……またやってるニャ)」
 
 

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2007年9月15日 (土)

お引越しなの! おまけ 5

 
 
 
「はーい、やっと出てきた。お利巧さんですね~」
「わ、わ。もう出たんだからちゃんと隠してったら、ね、ね?」
「だ~め。ちゃんと座るまでは離してあげないんだから」

 何とか引っ張り出したけど、恥かしがって顔を逸らし、足元の覚束ない。
仕方ないので、腕を引いて腰を抱き椅子まで引っ張っていく事にしました。
なんだかお昼の買い物のときと反対だ。
しかもお風呂だから、ぴったり身体がくっついてて素敵な感じだね。

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2007年9月14日 (金)

お引越しなの! おまけ 4

 
 
 
「そのぉ、ホント悪気があった訳じゃなくて、たまたま、偶然。そう、偶然!」
「そっか。なら私も偶~然、見ただけだからお相子だね」
「あ、あうぅ……///」

 言い訳するけど上手く行かないのがフェイトちゃん。
そのお陰で言質が取れちゃった。偶然って便利だね。
「えへへ。そ、偶然偶然。ほ~ら、偶~然」
「きゃっ!?ちょ、ちょっと、そんなくっ付いたら駄目だったら~///」
「せっかくのお風呂なんだから、もっとくっ付いてよ~よ~」

 元々、拳三つ分ぐらいの隙間もなかった私たち。
そっと腕を伸ばせば肩に手を回すことなんて簡単な距離。
だから、ちょっと俯いてたところでフェイトちゃんを抱き寄せました。
抱き寄せたっていうのじゃなくて、私が寄っていったというのが正しいかな。
ぴったりと寄り添って、フェイトちゃんにぎゅーっと身体を密着させました。

 


 
「な、なのはぁ。そ、そんなくっ付いたら」
「あっ、ほら。見て見てフェイトちゃん。さっきのお星様、すっごく綺麗だよ」
「そんな話を逸らし……あ、本当」
「ねぇ?こうやってお風呂に浸かりながら見上げるの。また違った感じがして良いでしょ?」
「うん……本当。少し湯気が煙って違う感じがするね」
「こうやってぇ、二人で頭を、コツンってして」
「な、なのはぁ!?」
「なるべく同じ視線で見るのって……素敵でしょ?」
「……う、うん///」

 少し間があって、傾けた頭にコツンと頭を合わせてくれる。
今言ったことは、そう思ってくっ付いたわけじゃなくて、今思いついたことなんだけど。
それでも言い繕った訳じゃなくて、ホントにそう思えたから言ったの。
少し煙る湯船から見上げる夜空は、モニタ越しなのに神秘的にすら思えた。

 


 
「……ねぇ、そろそろ身体洗おうか」
「え?う、うん。そう、だね」

 そのまま黙って夜空を見上げていた私とフェイトちゃん。
もう少しこのままでも良かったんだけど、何だか身体が火照ってきちゃって。
いつもならこれぐらい入っていても大丈夫なんだけど、どうしてかな。

「じゃあ、先に上がっちゃうね」
「あ、わ、わわわわっ///!?」
「どうしたのフェイトちゃん」
「い、良いから!私は良いから早くかく、隠してっ!」
「隠すって、何を?」
「だから、前、前だよなのはぁ!」

 両手でしっかりと目を覆いながら、必死に訴えかけるフェイトちゃん。
一体なんなのか私にはさっぱりだけど、そこまで言うならそうしようかな。
子どもの頃は何にも言わなかったのにね。どうしちゃったんだろう。

 


 
「でも。タオルは頭に巻いちゃってるし、どうしよう」
「だったら、もう少し気をつけてくれるだけで良いからぁ」
「はーい。分かりました~」

 そうは言っても隠しながら身体なんて洗えないし、ここはしゃがむ事で誤魔化しちゃおう。
湯船から上がって、椅子やらボディーソープを探す。
さっきカタログを見た限りだと、備え付けの。シャーリーが準備してくれてるのがあるはずだから。

「もう良い?」
「まーだ。まだだよ~、今探してるところだから~」
「探してるって、なにを?」
「椅子とかー、ボディーソープとか~」
「それだったら一緒に探し……た方が良いかな?」
「あ、ああ。見つかった見つかったよ」

 外に置いてあるんじゃなくて、壁の中に収納してあるから見つかりにくかった。
便利なのかそうじゃないのか、判断に困る装備かも。

 


 
「は~い、こっちに腰掛けて~」

 蛇口の前に椅子を二つ並べて、手招き。
フェイトちゃんは湯船の一番手前に噛り付くようにして、もじもじしています。
何を恥かしがってるのかな。出なきゃ洗えないのに。
仕方ないなぁ、フェイトちゃんは。

「は~い、そんな聞き分けの無い子はこ~ですよー」
「わ、わわ!?ちょっと、なのは!前、前を隠して!」
「え~、そんな恥かしがることないのに~。ほらほら~」

 両手で引っ張り出そうとするけど、相手も中々のやり手です。
目をぎゅーっと瞑って、いやいやをするように抵抗してます。
一向に引っ張り出せる気配がしません。

「だ、だから、前、前だよなのは!」
「だって手が塞がってるんだもん。フェイトちゃんが素直に出てきてくれたら隠せるよ?」
「……あ、あうぅ~」
 
 
 
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2007年9月13日 (木)

お引越しなの! おまけ 3

 
 
 
「ちょうど良い感じだよ。どっちかと言うとフェイトちゃん好みかな」
「えっと、それならもう少し熱くしたって良いよ。なのはの好きなようで」
「ううん。私もこれぐらいで良いから。せっかくフェイトちゃんと一緒なんだしね」
「え、えっと……うん///」
「シャーリーが作ったらフェイトちゃん好みの設定にしてあったのかもね」

 私がお風呂の設定を見ていると、フェイトちゃんは慣れた手つきで髪の毛をタオルで纏めてから
風呂桶を取ってお湯を汲み、身体を流しています。

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2007年9月12日 (水)

お引越しなの! おまけ 2

 
 
 
「えっと。着替えはここで良いかな」
「取りあえずはね。これは別に洗濯物を入れておく籠とか買ってこないといけないかな」
「でも、制服はやっぱりお店に頼んだ方が良いんじゃない?私服はそれで良いとして」
「そうかも……それなら余り大きくなくて良いね」

 着替えを置く場所がなくて、とりあえず洗濯機の上に置いてしまう。
明日から少しの間、私服で良いとして正式に六課が動き出してからは、そうは言ってられない。
まだ時間はあるけど、忘れないうちに準備しておかないとね。

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2007年9月11日 (火)

お引越しなの! おまけ

 
 
 
「脱衣所も空調ばっちりなんだね。これなら冬でも寒くなくて良いね~」
「そ、そだね」
「お風呂は外部から操作できるんだ。でも、これはそんな凄い機能でもないよね」
「そ、そだね」
「え~っと"超多機能湯船"?ふぅ~ん、何だか楽しそう。ね、フェイトちゃん」
「そ、そだね」

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2007年9月10日 (月)

お引越しなの!2 StS 感想

 
 
「エリオ君はおとこにょこなんだから良いのであって女の子にしたら意味ないと思います!」

 仰るとおりだと思いました。

 本題はこちらです。
      ↓

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2007年9月 8日 (土)

ホントは女の子!?

*web拍手にてご指摘頂きました、エリオの一人称を訂正 

 
 
 
 
キャロ「リイン曹長はユニゾン出来るんですよね」
リイン「そうですよ。誰とでも、って訳には行きませんけどね」
エリオ「じゃあ適正があれば僕でも出来るってことですか?」
リイン「そうですね。そういう事になります。ただ」
キャロ「ただ、なんですか?」
リイン「調整を繰り返して以前よりは安定したシステムですけど危険がないわけではありませんから」
エリオ「そんな危険なんですか? ユニゾンって」
リイン「ええ。だから廃れてしまった技術なんですよ」
キャロ「そうだったんですか。ちょっと興味ありましたけど……残念です」
エリオ「うん、僕も。魔法適正とかも少し影響が出るって話だから」
リイン「そうですか? なら少しだけやってみます?」
 
 
 

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2007年9月 7日 (金)

高町なのはの憂鬱

 
 
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2007年9月 4日 (火)

お引越しなの!2 StS 31

 
 
 
「おっはよーさん。おやおや、今日は重役出勤なん?」
「おはよう、はやてちゃん」「おはよう、はやて」
 少し遅めの朝食を取る為に食堂へ向かう途中、制服姿のはやてちゃんに会いました。
重役出勤だなんて。そんなに遅くないんだから。
「ところでお二人さん。なんやの、そないめかし込んで」
「うん?この格好のこと?」
 はやてちゃんが言うのも無理ないかもしれません。
だって、今の私たちはバリアジャケットを着込んでいるのですから。
「ええっと……ちょっとねー。ね、フェイトちゃん///」
「う、うん。そうなんだ、はやて///」
「??? バリアジャケット着込んで照れるような事あるんか?」
 珍しくはやてちゃんは要領が掴めないといった顔をしています。
ごめんねはやてちゃん。でも、教えるわけにはいかないの。
 
 
 
 

「うぅーん、まあエエわ。ところで、昨日の荷物。そろそろ届くみたいやよ」
「昨日の……ああ、そっか。うん、分かったよ」
「大荷物みたいやから、玄関のザフィーラ使ったって」
「はーい。ありがとう、はやてちゃん」
「まあ?ラブラブなお二人さんのお邪魔になるかもしれへんけどな。にしししし」
「え、ええっと///」「そ、そんなはやてったら///」
 はやてちゃんは私たちの繋いだ手を目をやると、意地悪そうに笑います。
手を交差させて、しっかり指を絡めて繋いだ手。
部屋を出るときから、着替える前からずっとこんな感じで一度も離していません。
「そんじゃね。私も今日は一日ここにおるから。そうは言っても色々忙して、この格好なんやけど」
「あ、そうだ。はやてちゃん。一つ聞きたい事があったんだ」
「はい、なにかな?」
「新人の受け入れは何時ぐらいからになりそう?」
「おお、もう新人の受け入れ準備を始めるんか。いやいや、流石教導官どの」
 モニタを出し、カレンダーに書き込んだスケジュールをチェック始めました。
 
 
 
 

「ええっと……日本風にいうて2週間ぐらいありそうかな。ライトニング隊はスターズ待ちやね」
 こちらに転送されてくる今後のスケジュール。
色々事務処理しなきゃいけないことはあるけど、基本的に動かなくて良さそう。
「ありがと、はやてちゃん。うん、これならゆっくり出来そうだね」
「ん?新人の受け入れ準備とかと違うん?」
「えっとね。そうじゃなくてぇ///」
「どうしたの、なのは」
「2週間ずっとフェイトちゃんと一緒にいられるのかなーって///!」
 呆気に取られる二人を余所に思いっきり抱きつく私。
初めは硬直していたフェイトちゃんも、直ぐに頬が緩んでいきます。
「うえぇ、砂吐いてまいそうやわ……」
「えー、それってどういう意味なの?」
「こっちの話やから気にせんといて。んじゃ、くれぐれも隊の風紀を乱さん程度にしといてな」
「はーい。それじゃ早く返して部屋に戻ろう///?」
「うん、そうだね///」
 
 
 
 
 
 時間がずれていたお陰か、殆ど人影のなかった食堂。
それを良いことにワガママを言って、フェイトちゃんに遅めの朝食を食べさせてもらった。
バリアジャケットを着込んでご飯を食べる姿は、とても滑稽だったかもしれないけど
今の私たちにはどうでも良いことだった。
ただ、気になったといえばバリアジャケットは一般生活において機能的じゃないってことだけ。
でも、普段見られない格好での食事っていうのは何だか楽しい。
フェイトちゃんの髪型も違うし、毎回マントをまくって手を伸ばす仕草が可愛かった。

「結構人も増えてきたね」
「うん、いよいよ本格的に動き出そうとしてるんだなって感じる」
 通路に積まれていた荷物や機材なんかも、この二日で随分減った。
人の行き来も多く、いよいよ本格的に動き始めるんだなって思わせる熱気をひしひしと感じる。
自然と高まる期待感、ドキドキと胸も高鳴っていきます。
 
 
 
 
 
 でも。それよりも何よりも。
繋いだ手を通して感じる、私の隣を歩いているフェイトちゃんの存在。
それが何よりも明日からの生活に、昨日感じたものとはまた違う大きな期待を持たせてくれる。
ドキドキと高鳴るこの胸の音が聞こえちゃうんじゃないかって思うほど大きくなってる。
本当に聞こえちゃったらどうしよう。
意識し始めた途端、頭中に鳴り響くほどに大きくなってしまう。
身体中に汗が噴出して、顔がぼうっと熱くなって、昨日のフェイトちゃんがフラッシュバッ――
「どうしたの、なのは?」
「え、うえぇええぇえっ!?」
 目の前に現れたフェイトちゃんの顔。
それはフラッシュバックなんかじゃなくて、現実のフェイトちゃんでした。
「急にボーっとしちゃって。それに何だか熱っぽい……若しかして風邪ひいちゃった?」
「う、ううん。そんなことないよ!昨日、ちょっと薄着だったけど!」
 昨日は部屋着を一枚羽織っていただけで、かなり薄着だった。
それより、お風呂から上がって髪を直ぐに乾かさなかったのがいけなかったのかも。
勿体無い。現実に、目の前にフェイトちゃんがいるのに、昨日のこと思い出してる暇なんてないよ。
 
 
 
 

「ホントに大丈夫?私、ちょっとだけなら治療魔法も使えるし、もし何ならシャマルのところに」
「ううん、ホントに大丈……う~ん、やっぱり少しだるいかも」
「そ、それなら早く部屋に帰ろう!ううん、それよりもシャマルのところに行った方が!」
 本気で慌てるフェイトちゃん。
その可愛い様子を見届けて、私はゆっくりとフェイトちゃんの首に腕を回しました。
「そんな事しなくても、フェイトちゃんが一日側にいてくれれば治っちゃうんだけどな///」
「え、えええっ!?そ、そんなでもやっぱりちゃんと診てもらった方が、えっと、うんと……」
「だーめ!ちゃんと"フェイトちゃん"に治して欲しいんだから///」
「そ、そういう事なら……えい!」「きゃっ!?」
 一瞬、顔の位置が下がったかと思うと、不意に身体が宙に浮かぶような感覚。
慌てて回した腕に力を込めてフェイトちゃんに抱きつきました。
すると昨日と同じ、フェイトちゃんの顔がグッと近くに寄っています。
そこで、いまお姫様抱っこされてるんだって気付きました。
「じゃあ。風邪引きさんは大人しくお部屋のベッドで寝ててね。私が……一緒に寝てあげるから///」
「うん!あ~、それならこの後2週間。ずっと風邪引きさんが良いなぁ~///♪」
 
 
 
 
 
 ぎゅっと腕に力を込めて、フェイトちゃんに思い切り抱きついちゃう。
右胸の当たるところから、フェイトちゃんのドキドキが伝わってくる。
それは服の上からもはっきりと分かるぐらいにドキドキで、速さは私に負けないぐらい。
ううん、私と同じだけ。同じぐらいに。
その内どっちがどっちのドキドキか分からなくなって、一つになったみたい。
「えへへ。これからずっと、フェイトちゃんと一緒なんだね……///」
「うん。これからはずっと。なのはと一緒だよ///」
 どちらからともなく、腕に力を込めて、もっとくっ付きあっちゃう。
目の前に迫るフェイトちゃんの顔が、頬が、瞳が、全部私に向いててくれる。
私がそう思うように、フェイトちゃんもそう思ってくれるかな。
「ねぇ、フェイトちゃん。早く、"私たち"の部屋に帰ろうよー」
「うん、"私たち"の部屋にね」
 今日はこれからどうしようって。
したい事がいっぱいあるのに、どれから手を付けて良いか分からなくなっちゃう。
でも、焦らなくて良い。だって。これからはずっとフェイトちゃんと一緒なんだから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
――――――おしまい。
 
 
 
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2007年9月 3日 (月)

お引越しなの!2 StS 30

 
 
 
 何かの眩しさに圧迫感を覚え目を開けると、部屋は明るくなっていました。
窓の外ではすっかり陽が高くなっているようです。
一気に眠気が吹き飛び、慌てて飛び起きると、私とは反対側に倒れているフェイトちゃんを見つけました。
手足が伸びきっている様子から、眠るでなくフェイトちゃんも倒れてしまっていたようです。
なんで、倒れちゃってるんだ―――
「あっ……! あわ、あわわわわわわわっ///!」
 原因を思い出すと同時に蘇る、お凸に触れたフェイトちゃんの唇の感触。
今でもまだ触れているかのように思い出すことが出来る。あの、柔らかな唇。
膝をついたまま、すりすりと近づいていく。
小さく開かれた唇から漏れ聞こえる寝息。
はぁ。昨日これが私のお凸に……///
また身体の芯が熱を発し始め、頭がぐるぐる、視線はもうそこに釘付けになって。
ドキドキが止まらない。
自分の鼓動だけが響き渡って、思考を先鋭化させ始めた。
この唇…………気持ち良さそう――
 
 
 
 
 
 もう視線だけじゃない。
身体ごと惹き付けられるみたいで、それ以外のことが考えられないの。
どうしよう、どうしちゃおう?
そんなことを考えている間にも、フェイトちゃんの顔が目の前に迫ってきていて、艶のある唇が……
「フェ、フェイトちゃん……」
「……う、う~、ん。なのはぁ?」
 思わず呟いた言葉に返ってきた言葉。呼ばれた自分の名前に身体が10cm以上跳ね上がった、気がした。
でも、それは目を覚ましたわけじゃなくて、偶然私の名前が出ただけ?
「ふ、ふぅ。やっぱり寝込みを襲っちゃうような真似はいけないって……ね、寝込みっ!?」
 自分で口にした言葉に芯に篭っていた熱が噴出しそうだった。
な、何を言っちゃってるの!?「寝込みを襲う」だなんて!
そもそも私は何をしようとしてたの?
そんな、フェイトちゃんの唇が余りにも気持ち良さそうで思わず、その、あの……!
違う違う。ぶんぶんと、邪な考えを振り払うように頭を振るけどフラフラとするだけで効果がない。
ゆらゆら揺れる頭は、それでもフェイトちゃんを捕らえ続けます。
 
 
 
 

 ああ、また視線が釘付けになっちゃう。
うぅ、どうしよう。どうしちゃおう!?
ううん!だめ、だめだよ私!そんな、そんな…………ゴクリッ。
はっ!?ち、違うったら!そうじゃなくて、フェイトちゃんを、えっと…………


「う、うぅ~ん……あ、おはよう。なのは」
「お、おはようなの……フェイトちゃん……」
「ど、どうしちゃったの!?何だかとっても疲れちゃってるよ!?」
 結局、フェイトちゃんが自然に目を覚ますまで、自分自身と苛烈な精神的戦いを繰り広げていたのでした。
そんな私の目の前で気持ち良さそうに眠るフェイトちゃん。
それだけで何度抑えきれない何かに駆り立てられそうになったことか。
今、目の前で私のことを心配してくれているフェイトちゃんが少し恨めしい。
……でも、そんな可愛いフェイトちゃんが好きなんだから仕方ないんだもん!
 
 
 
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2007年9月 2日 (日)

お引越しなの!2 StS 29

 
 
 
「――好きだよ。大好き。どの世界の、どの次元の人よりも、一番に。誰よりも」
「フェイトちゃん……」
「なのはが私を好きだって想ってくれてるのと同じだけ、私はなのはのことが好きだよ」
 照れも気負いもない、ただ真っ直ぐに私を見つめ、在りのままを伝えてくれる。
そんなフェイトちゃんに私も応えなくちゃいけない。
だって。自分からおねだりしたんだから。
「なのは、どうしたの!?」
「――えっ?私が、どうかしたの?」
 自覚がなかった。
だから、フェイトちゃんの頬に滴り落ちる、透明な液体がなんなのか分からなかった。
「だって、ほら」
 起き上がるフェイトちゃんにそのまま抱かれて、私は後ろにペタンと座り込んでしまいました。 
 
 
 
 

「ほら、涙を拭いて。どうしたの急に」
 白く細長い指が伸びて、目頭から目尻をそっと拭ってくれる。
触りなれた指も顔を撫でられると新鮮で、もっと触って欲しくて。
もう片方を拭い終わり、離れてしまう前にその手を握って引き止めた。
「変なの。なんで涙なんて出ちゃったんだろう」
「何でだろう。不思議だね」
「ホントだね。何も悲しい事なんてないのに……」
 引き止めた手に頬を寄せ、目を閉じる。
触れる手の平を通してフェイトちゃんをはっきりと感じることが出来た。
そうしていると、不意にもう片方の頬に触れる感覚。
ゆっくりと目を見開けば、両頬を挟むようにフェイトちゃんの顔が目の前にあった。
心配そうに、でもちょっぴり照れているように。
静まりかけた胸のドキドキは、また何事もなかったかのように騒ぎ始めました。
 
 
 
 
 
「ほら、元気を出して。私、なのはには笑っていてほしいから」
 優しい声、控えめで柔らかくて滑らかで。そして何よりも。
その声を紡ぐ、声よりも柔らかそうな、薄紅色のルージュを引いたように瑞々しさを湛えた唇。
一度意識してしまうと、もうそこから目を離せない。
「……?どうしたの。私の顔に何かついてる?」
「う、うん。付いているって言えば付いてるかも」
「え、ええ!?」
 手を離す事はないけど、慌てたように自分の顔を気にし始める。
駄目だ、やっぱり可愛い。
何もしないでいられない。けど、何をしたら良いのか分からない。
今の自分が何をしたくて、何をして欲しいのか。
浮かぶような浮かばないような、胸につっかえたようでお腹の底がぐるぐるしてきた。
 

 
 
 
 気持ち悪い。
もう今の自分がどうしようもなくて、どうしようもならなくて。
その正体の分からない何かは"不安"と言った言葉でしか表現出来なくて。
自分のことなのに、まるで他人のように制御が利かなくて。
「どうしたの、どこか痛いの?辛いの?」
「フェイトちゃん。私、私ね。今日は朝から変だった。嬉しかったり寂しかったり、喜んだり嫉妬したり。
 一日で、何日分も気持ちが揺れ動いたみたいになって、全然自分でどうしようも出来なくて。
 フェイトちゃんを好きだって。言えた今でもやっぱり、それからどうしたら良いのか分かんないの」
「大丈夫、安心して。私はいつだってなのはの隣にいるんだから。
 焦らないで。ゆっくり、ゆっくり向き合っていけば良いよ。私、待ってるから」
 優しく囁いてくれる。
安心する。ざわざわと不安に波立つ心がウソのように静まり返っていく。
フェイトちゃんの言葉一つで私の心は荒れたり静まったり、とても忙しい。
情緒不安定ってこういう感じなのかな……
 

 
 
 
「フェイトちゃんは、どうしたの?どうやったら良いの?」
「私は、私はね……あの、その///」
 途端にまた赤くなるフェイトちゃん。
恥かしそうに視線を逸らしながらも、チラチラとこちらの様子を窺っている。
私に何かあるのかな……?
「あのね、昨日。そういう風になっちゃった時ね。実は、なのはにお願いしてたの///」
「お願い?私がフェイトちゃんに何かしてあげてたってこと?」
「うん……それはね――」
「!?」
 頬に当てられていた手がお凸にかかる前髪をかき上げたかと思った瞬間。
私のお凸に、何か柔らかいものが。
今までの人生で味わったことのないような、柔らかくて、しっとりとしていて、温かい何かが触れました。
今、目の前にはフェイトちゃんの鎖骨と、豊かさを象徴するような谷間があるだけです。
そのまま鎖骨、首筋、顎という風に視線を上げていった先では―――
 
 
 
 
 
 ―――――――ちゅぅ。

「…………んっ。こういう風に///」

 音を立て、離れるフェイトちゃん。
最後まで私にくっ付いていた場所。
徐々に離れていき、フェイトちゃんが顔が下りてくる。
真っ赤な顔、恥かしげに俯いて前髪で見えない瞳、きゅっと噤まれた……唇。
そこで始めて分かりました。私、今フェイトちゃんにキ、キキキキキキキスを――っ!?

「~~~~~~~~~~っ!!!???」

 それを自覚した途端。
お凸の触れたところが熱を発し始め、まるでそこから火を噴いているみたいだった。
そしてお凸の熱は血液よりも速く全身を駆け巡り、身体の中心が胸の中が頭の中心が、爆発しちゃいそう。
頭の中はさっきより混迷を極めて、判別の付かない感情がぐるぐると渦巻いて。
そこで私の記憶はぷっつりと途切れてしまいました。
 
 
 
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2007年9月 1日 (土)

お引越しなの!2 StS 28

 
 
 
「可愛いっ!可愛いんだから~!もう~」
「痛い、痛いったら。なのはぁ」
「うぅ~ん、もう!フェイトちゃんったら……」
 むぎゅーっと抱きつく、触れ合っている場所がじっとり汗ばむよう。
だけど、全く離すつもりなんてない。寧ろもっとベタベタしてたいぐらいだもん。
「……本当言うと、なのはが嫉妬したっていうの。嬉しかったんだ」
「キャロとエリオにしてたって言うのに?その……ヴィータちゃんじゃないんだよ」
「ヴィータはなんて言うか、えっと、いつも私がヤキモチ妬くばっかりで///」
「そ、そうだったね///」
 昨日も同じようにしていた時のことを思い出す。
あの時もフェイトちゃんが可愛くてしょうがなくて、それで、思わずキ、キキキキス……しちゃったんだ。
「でも、フェイトちゃんだってヴィータちゃんと仲良いんだもん」
「そ、その話も……私としては嬉しいんだけど」
 フェイトちゃんは少し気まずそうに視線を逸らしてしまいます。
何か言いたいことがあるみたい。ヴィータちゃんだけ特別みたいで、またちょっと妬いちゃいます。
 
 
 
 
 
「どうしてヴィータちゃんじゃなくて、キャロとエリオなの?」
「う、うぅ。言わなきゃ、駄目?」
 ヴィータちゃんのときとは別の理由で言い難いみたい。
勢いで言った後に恥かしがっちゃう、うっかり屋さんなフェイトちゃん。
下がった眉の困り顔に、ドキドキと胸が高鳴ってしまって、少し意地悪になっちゃう。
「あ、あのね。一応、私はキャロとエリオの、その、お母さんだし」
「ちゃんとお母さんだよ」
「だから二人は私の子どもで、家族だから、なんて言うのか」
「家族で、子どもな二人にヤキモチ妬いちゃうのが嬉しいの?」
「うん。だって、そんな家族にさえヤキモチしちゃうって」
 ドキドキしてるのが分かる。
密着した胸から伝わってくるのと別に、その表情から胸のうちを読み取る事が出来るから。
いつも胸の奥にしまいこんでいるモノを、出すか出さざるか躊躇してる。
でも、それを言って、正直な気持ちを伝えようとして、思わず高鳴ってしまっているよう。
私は、ジッと視線を逸らさず、次の言葉を待ちます。
 
 
 
 
 
「あの、そういう対象じゃないよねって。ヴィータと違って二人は、子どもだし」
「う~ん、確かに。お母さんと子どもが仲良くするのは当然だもんね」
「だからね。そんな子どもにまでヤキモチ妬いちゃうの。そんなに私と一緒に居たいって。
 今までの親友のとは違う、そういう……今までと違う"好き"なんだって。言ってくれてるみたいで///」
「ど、どういう……?」
「あ、あああ!えっと、わた、私の勝手な考えだから気にしないで!」
「ううん、ちゃんと聞きたい。お願い、聞かせて!」
「そ、それなら、えっとね。いっぱいヤキモチは、その……こ、ここ恋人みたい……だって///」
 びっくりした。
そうなんだ。嫉妬するって、そういう風に相手を好きってことなんだ。
自分の感じて、想ってた"好き"って感情が、一気に違う、何か別の"好き"になった、そんな衝撃。
そう思ってしまうと、目の前のフェイトちゃんが全然違って見える。
透き通るような金髪も、深紅の瞳も、朱に染まる頬も、白磁を思わせる肌も――
何一つ変わってないのに、さっきまでと全く別のもののように見えてきてしまう。
そっか。私の"好き"って想いは、そういう"好き"だったんだ。全然違ってたんだ! 
 
 
 
 

「わた、わた私、わたし……」
「うん?どうしたの、なのは」
 この"好き"って気持ち。今までと違うこの想いを。どうにかして今の私の気持ちを知って欲しい!
「――私。フェイトちゃんのことが、好き……好き!大好きなの///!」
「な、なのはっ///!?」
「今まで何回言ってきたか分からないけど、何て言うかどう説明して良いか分からないけど!」
「え、ちょっと、落ち着いて!落ち着いて、ね?」
「大好き、大好きなの!フェイトちゃんのことがっ!今までと違うんだけど、ずっと一緒なの!」
 身体を起こし、上に覆いかぶさる。左手は繋いだままに。
腰を抱いていた右手は抜き取って、身体を支えてベッドが少し沈み込む。
月明かりに照らされて、フェイトちゃんの肌は青白く光っているけれど、それにも増して。
フェイトちゃんの顔も、耳も、首も、鎖骨まで――
「あのね、もっとフェイト――きゃっ!?あ、え、ええっ!?」
 背中に手を回された感触がした瞬間。
私はフェイトちゃんに抱きしめられ、さっきまでとは逆の格好になってしまいました。

 
 
 

「あ、あのフェイト、フェイトちゃん///?」
「な、なのはの、なのはの顔をもっとよく見たくて……ゴメン、驚かせちゃったみたいで///」
「ううん!そんなことない!驚いちゃったけど、えっと、凄くドキドキしてるだけ///」
「逆光で、なのはの顔がよく見えなかったから。つい」
 フェイトちゃんのドキドキが私を跳ね上げてしまいそう。
ううん、これは私自身がドキドキして跳ね上がっちゃってるの……?
でも、そんな事どうでも良い。
だって、今はそれよりもフェイトちゃんと一緒って事が大切で、聞きたい事があったから。
「……あの、あのね。ワガママ、一つ。聞いて……欲しいんだけど」
「なぁに。私に出来ることなら何だって」
「じゃあね?えっと、その……私はフェイトちゃんが好きだよ///」
「う、うん。いま、聞いたから///」
「だから、えっと……フェイトちゃんは私のこと、好き///?」
「え、えええっ!?そ、それ、いま……言うの?」
 
 
 
 

「うん、いま聞きたい」
「あ、あうぅぅ……」
 聞かなくたって分かってる、なんて。そう言い切れる自信がない。
そんなだったら聞かなきゃ良いのに。
でも、フェイトちゃんにどうしても言って欲しかったから。その唇から聞きたかったから。
だから不安な心を押しのけて、ちょっとだけ勇気を出してみたの。
「じゃあ、えっと、言うよ?わた、私は、なのは、なのはの、なのはのこと……///」
「う、うん」
 抱きついてた私を引き剥がすように持ち上げて、息が掛かりそうなほどに近づく顔。
あわあわとしていた口が一回閉じられ、ごくりと喉が鳴ります。
そして、一つ深く深呼吸。
真っ直ぐに、心の奥まで射抜かれてしまうようなその瞳で見つめて。
ゆっくり開かれていく唇は、私の待ち望んでいた言葉を紡ぎ始めました。
 
 
 
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