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新婚なの! 7-2 (1)

「お疲れさん。ヴィータ教官」
「ああ、ホントだ。準備もなしに突っ込んだかんな。そんでもよくついてきてくれたぞ」
「そりゃムサイおっさんに怒鳴られるより、可愛いお嬢ちゃんに怒られる方が気分良いだろ。あいつ等も」
「……それ。オッサンの趣味か?」
「バ、バカも休み休み言え! 俺はもっと胸の大きいグラマーなのが好みなんだ!」
「や~い、セクハラオヤジ~」

 妙に慌てるオッサンをテキトウにからかって、さっさとその場を後にした。

「……ああいう悪い言葉を何処で覚えてくるんだ、全く」
 
 
 
 
 
「ふぃ~。今日も疲れた……」

 シャワーで汗と埃を洗い流し、いつもの自分の席にどっかり腰を下ろす。
本当ならここで一息入れたいところだけど、新人たちの今日の評価レポートを作っておかないとな。
グラーフアイゼンが訓練中の映像とか録画しておいてくれるし、今すぐでなくてもいい気がするけどさ。
やっぱり今感じてる率直な感想っていうか、その時の感覚を取り合えず記しておかないと。
モニタを立ち上げ、作業に取り掛かろうとすると、アタシ宛てに連絡が届いている旨が表示がされた。

「なんだ、これ。一般のメールじゃないし……しかも誰だ?」

 怪しげなのは外部から入った時点で局の中央で選別して弾かれる。
それを潜り抜けてきたってことは……送り主の詳細は文字がごちゃごちゃになって読めなくなってる。
これってなんて言うんだっけか? 文字化けとか何とか言うんだっけか。
つーことは、あれだ。何か壊れたか、若しかしたら管理外世界からのメールかもしんない。

「う~ん……思い出した、アレだ。一回日本から送ったときにこうなってたぞ」

 管理外世界の文字は、そこ出身のヤツかよほど酔狂なヤツ以外対応させたりしない。必要ないからな。
アタシも前は入れてたけど、全員でこっちに越してきた後、入れ直すの忘れてたんだ。
なのはもフェイトもこっちに来ちまったしさ。日本からメールすることなんてなくなってたし。
ならそういう可能性がないこともないのか。
でも、今日本にいてアタシにメールしてくる人って……それこそ誰だろな。

「帰ってから開けてみるか」

 プライベートな内容かもしんないし、勤務中に開けるのはよくないな。メールだから急用じゃないだろうし。
取り合えず家に転送しておいて、レポート制作に取り掛かることにした。

「ヴィータちゃん。今日も私がしておくね」
「ああ、頼んだ」

 エプロンをつけたなのはが台所へ向かっていく。
アタシが新人の訓練に就いてからこっち、なのはが洗い物をしてくれる。
新人の教導も結構気を遣って大変だって分かってるからな。そんでいつもの家事を代わってくれる。
まあ、それを言うなら洗い物だけじゃなくて、他のことも代わって欲しいけど。
ソファーにもたれてぼんやり眺めるテレビから、今日一日にあったニュースなんかが伝えられていた。
人が死んだとか事故が起きたとか何かが行方不明だとか、そんな気分の落ち込むようなものばかり。
チャンネルを変えても良かったけど、よくよく考えるとそんな暇もあるわけじゃない。
まだ家事の残りとか明日の準備とか……あっ、そういえば。

「なのは。これからちょっと仕事の残り片付けるから声かけんなよ」
「はーい。分かりましたよー」

 部屋に引き上げても良かったけど、大した内容じゃなかったりすると腹立つし、このままで良いや。
アタシに背を向けて流し台に立っているなのはを向こうに、モニタを立ち上げる。
転送しておいたメールに日本語のツールを通す。確かこれで良いんだよな?
これでダメなら、ただ単にどっかで欠損しただけの話だ。

「……おっ。修復が終わったみたいだな」

 軽い電子音が鳴り、メールの修復が終わった事を告げる。
送信元は日本だ。ちゃんと日本語に直ってるしな。
送り主は……リンディ提督じゃんか。なんだろう。アタシにメールしてきた事なんてなかったのにさ。
訝るような気持ちでメールを開けてみると、その疑問は直ぐに解けた。

「(フェイトか? またなんでリンディ提督を名乗ってメール送ってくんだよ)」

 解けたと思ったその瞬間。また新たに湧き出てくる。
正直、あの一件以来あまりフェイトのことは思い出したくなかったけど。
あれか。自分だと分かったらアタシが内容を確かめずもせずに捨てるとでも思ったのか?
……まさか。それは流石に穿った見かただよな。
フェイトはそういうヤツじゃない。
もう少し人を疑うことを覚えた方が良いってぐらいだ。

「……ふーん。内緒の相談か。正式に依頼したって良さそうな仕事なのにな」
「なぁ~にが?」
「うわぁっ!? な、なんだよなのは!」
「真剣な顔してメール見てるんだもん。何してるのかなって」
「だから仕事だってつってんだろ! 驚かせるな、バカ!」
「バカって言わないでよ~」
「人の言うことを聞かないからだろ! ああ~もう! 風呂の準備してくっからな!」
「ねぇねぇ、誰からのメールだったの?」
「仕事だ、仕事~」
「そんな怒らなくたってイイのに……ケチ」

 いきなり半透明のモニタを突き破って顔を出すなのはに怒鳴りながら席を外した。
別に見られて困る内容じゃないけどさ。内密にしたそうなフェイトの意思を尊重したってやつだ。
それにフェイトと内緒でメールしてるなんて知ったら絶対首突っ込むからな、なのはは。


 


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