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流行りモノ

 
 
 霙ちゃんが頬杖をつきながら物思いにふけっているの。
その少しだけ近寄りがたいような風体はいつもの通りなのだけど、昨日のこともあったし気になって聞いてみちゃった。
そしたらね。
ほんの少しだけ間を空けて、頬杖を突いたまま首をかしげて「風邪が、流行っているそうだから」って。
それだけ言うと、また何も無かったみたいに窓の外を見ているの。


 普段は進んで何も言わないのに、どうしてかなって。
でも、学校へ行くときも帰ってくるときもマフラーと手袋を一緒にぎゅっとなって、クラスでもお休みしちゃっている子がいる冬だから。
私たちのことも心配してくれたのかなって。
とっても嬉しくなっちゃって「霙ちゃんも気をつけてね」って。
そうしたら「味覚が――変わるらしい、から」って。それは独り言のようにも聞こえたけど、きっとさっきの続きなんだろうって。
だから今日は温かいお風呂にゆっくり入って、風邪を引かないように気をつけなきゃって。
その前に、学校で風邪にはビタミンが良いのよ。夕ご飯にはカボチャを煮付けを食べてみんなで風邪さんを追い出しちゃうんだって、思いました。
 
 
 
 
 あそこのどら焼きはいつも美味しいから、とても楽しみにしていたのだが。
なんだか味が違ったような気がした。
先日読んだ本に、体調に左右されることもある、との記述を見つけどのような物かと思っていたら――まさにこれのことなのかと。
これは私の味覚が変化したのか。それとも、作っている人の変調なのか。
そのどちらか分からないが、そのどちらだとしても――楽しみにしているどら焼きを堪能できないのは勿体無いだろう?


 作ってくれた人にも、買ってきてくれたヒカルにも、そしてなにより――どら焼き自身に失礼なことじゃないか。
だから、別に誰でも良かったのだが、ちょうどそう思い至った時に蛍が近くに居たのだから、この想いを伝えておいた方が良いじゃないのか、と。
私のような思いを他の姉妹がするのは可哀想だし――オマエだってそう思うだろう。
それにしても、どら焼きには失礼なことをしたと今でも、後悔の残るところであって。
この残された想いと、届かなくなってしまった想いは、私の中でどうなっていくのだろうか。
何にも残らず、知られることのなく――


 少なくとも、オマエが私のこの想いを覚えていてくれるだろうか。
 
 

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新婚なの! 7-10 (1)

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パンジュウではダメなの

 
 
 それなりに、かなり大きな家になると思います。
そしてお皿、お箸、湯のみ……それぞれが19個ずつ用意しなければなりません。
それはオヤツも例外ではなく、大きく盛って食べる物を除いて個別のモノ―例えばどら焼き―は19個(しかし現在は17個)。
それって大変なのに、どら焼き一個で足りるかしら。
既に中学で部活をやっているだろう子、育ち盛りの子、年頃と言えどお腹の空く時期。
どら焼き一個で足りないわよね。


 さて。各自のオヤツの割り当てられたお皿って、各人別のモノなのかしら。
19種類用意するのは無理そうだから、普通に全員同じもの。
だからリビングへ置いたとしても、これが誰のオヤツ割り当てなのか分からない。
それならまだ食べていない子は当然手を出しますでしょ。
……まさか長女という可能性はないでしょうか。ないですね、彼に「あ、食べるでしょ? 男の子はお腹空いちゃうものね。遠慮なんてしなくて良いのよ~。はい、あーん」
彼は、いま自分が口にしたモノが人数分しか用意されていないことを知っているでしょうか。
知っていて「人数分用意してある(のだから当然自分の分も用意してある)から、きっと何処かにあるはずだよね」と一緒に探したのかしら。


 これは用意した子(蛍かしらね)は、うっかり全員分しか用意せず、人数分用意されたのだから彼が食べていたとしても不思議に思わない。
しかし。魔法で探しても見つからない(彼が食べてしまったと言う真相にたどり着かない)と言うことは、本当に――
最後までどら焼きの行方に拘っていた程に好きなのに、着替える途中でうっかり本を読み始めて―しかも制服を脱いだのだから―しまう辺り、なんと言うか年相応らしさがないというか。


 でも、一晩中。
一緒に探していたかったんじゃないかなって。
それは内面を重ね合わせた吐露なのか、観察からくる本人にも気付かない事実?
家族になったばかりの彼が一生懸命探してくれるというのは、それだけで何かをもたらしたんじゃないかって。
外見に似合わない年不相応な内面、そのギャップにドキドキです。


 どら焼きって、シンプルなのかしら。それとも中に栗が入ってたりマーガリンが入ってたり、例えば牛乳と一緒に食べるのが好きとか――何か拘りがあるわよね、きっと。
それが他の姉妹にも伝わっているほどに。
 
  

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落ちてる

 
 
 19人も姉妹がいるのだから(自分を含めれば20人)母親が一人なんて無理。
これは誕生日からもありえない!と提唱していらっしゃる方は大勢居られます。
しかし、そんなこと思いもよりませんでした。
ただ、なんの根拠もなく母親が二人いて、その内の一人と暮らしているものだと。

「高一の男の子一人暮らしってそりゃ……きっと母子家庭だわ」
母親と二人暮しの彼。
高校入学の春、「本当のお母さん」なる人が現れて、二人で「本当の家族」に会いに行くの。
期待と不安が入り混じるなか、玄関を開けた先に現れる19人の彼女達。
いつも母親を気遣っては家事全般が得意な心優しい彼。
妹達(数名除く)にもあっという間に受け入れられ、今まで感じていながらも決して面に出すことのなかった「寂しさ」を埋めていく。
母二人、姉妹19人、君一人。
総勢22人による「本当の家族」に"なっていく"物語ですよね。
 
 
*一部訂正しました。
 

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やっちゃいかん

 
 
 しがない二次創作ブログですが、やはりそれらを行う上で気をつけようと思っていることはあります。
自分なりに作品を理解していない内は手を出さないようにしよう、と言うものです。
その中で、キャラ同士の呼び方を間違えないようにしよう。なるべく基本的な設定は守ろう。ぐらいですが。
しかし、そうしている内に明らかに出遅れた感のあることになることも。

 「Baby Princess」ですが、ダメ姉としっかり妹というのは好きな組み合わせで、あれだけ姉妹がいればそのような組み合わせは必ず出来てくるはずです。
そこで、しっかりしない頭でフヤフヤと形になりかけたところ、珈琲みるく症候群様にて、グッとくる記事とSSが。

春風×ヒカルという王子様百合カップリングについて思考の羅列
タイトルだけで期待値が高まるではありませんか。
いざ拝見させていただくとですね。
……むぅ。出遅れた感がますます増してきました。
病んじゃうというか、ヤンデレ。こういうアプローチも十分にあり得ます。

……脳みそが二つになりませんか。
 
 

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新婚なの! 7-9 (2)

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リンク、とか

 
 
 リンクを二件、追加させていただきました。

一つ目は「その境界線は。」さまです。
当ブログでなのヴィSSを書いてるときに補足していただきました。
ブログの内容は、リリカルなのはの二次創作SS中心にイラストも掲載なさっています。
SSは、なのはを中心としたカップリングを書かれておられます。
現在は「なのヴィ祭」「クリスマス祭」を絶賛開催中でありますので、一度ご覧になられては如何でしょうか。

 
二つ目は「月咬洞」さまです。
個人的に、昨年11月のヴィータ合同誌を主催された偉い方です。
当ブログのSSにも挿絵を描いた下さったり、合同誌に参加させていただいた折にも扉絵と挿絵を頂きました。
可愛らしいヴィータのみならずアギトもYagamiMAGAZINEもありますのでどうぞ! 

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新婚なの! 7-6 (3)

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これからもよろしく。 後

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これからもよろしく。 前

 
 
 
「おめでとう~、ティア~!」
「あ、明けましておめでとう御座います……新年早々元気ね、アンタは」

 新しい一年が始まる日に相応しい、遠く澄み渡った青空の下。ティアナはナカジマ家のインターホンに指をかけていた。
約束の時間は迫っている。
早すぎるのも失礼だが、流石にこの冷え込む玄関先で何分も待ちぼうけるのは身体に悪い。
押そうか、押すまいか。
礼儀と冷える足元がせめぎ合い、結局そのまま指を押し込んでしまった。
一度押し、二回鳴る。その二回目が鳴り終わるか終わらないか。
玄関ドアの向こうからドタドタと廊下を騒がしく走る音が聞こえ、鳴り終る頃には足音の主が顔を覗かせていた。

「ティアが元気ないんだよー。ほらほら、上がって~」
「ちょ、ちょっと! まだ靴脱いでないんだから待ちなさいって!」

 ぐいぐいと引っ張っていくスバルに靴を脱ぎながら抵抗するが、片足ではどうにもならない。
左靴を脱いだところで耐え切れなくなり、合えなく倒れてしまった。

「きゃっ!? あ、ス、スバル! 大丈夫!?」
「えへへー。大丈夫だよ~」

 腕を引っ張った勢いそのままにスバルの上に乗ってしまったティアナ。
普段訓練を積んでいるとはいえ、正月気分に緩みきったスバルは受身を取ることなく頭を床にぶつけてしまった。
自分が乗ってしまった分、強くぶつけてしまったのでないかと心配するティアナを他所に、にへらっと笑うスバル。
呆れつつも安心したティアナだったが、自分の腰に回された手に気付き、咄嗟に凸ピンをしてしまった。

「いったーい。ティアのこと受け止めてあげたのに~」
「そ、そもそも引っ張るアンタが悪いんでしょ。これは注意よ、注意」
「は~い」
「な、なに嬉しそうな顔してんのよ」
「えー? 初抱きつきだなーって」
「初……バカ」

 ティアナに起こされながら満更でもないといった表情。
理由を尋ねれば、初抱きつきなどとオヤジ臭いことを言う。
去年どれほど抱きつかれたか、その感覚が蘇ってきてしまい、顔が熱くなるのを悟られぬよう顔を背けてるティアナでした。
 
 
 
 
 
「おう。ティアナ。新年明けましておめでとう」
「ナカジマ三佐。昨年は大変お世話になりました。今年もよろしくお願いいたします」
「相変わらず真面目なこった。せっかくの正月休みなんだ。もっと肩の力抜いてくれや」
「そうだよティア。今日はお休みなんだから」

 手を引かれリビングに通されれば真ん中に炬燵が構えており、ゲンヤが昼間から頬を赤くしご機嫌な様子。
お銚子はまだ二本とそれほど空けている訳ではなさそうだったが、ご機嫌であることは確かだった。
普段目にする制服姿ではなく、割とラフでいながら自分が来ることを分かっているために、それなりの格好をしていた。
ギャップのある姿に、内心ドキドキしながらも、上着を置き、腰を下ろして丁寧に新年の挨拶を済ませる。
座るよう勧めながら、くいっとお猪口を傾ける。
どうしたものかと思っていれば、スバルは足早に台所へ向かってしまった。

「外は寒かったろう? 炬燵にでも入って温まってくれ」
「は、はい」
「身体を冷やしちゃなんねーからな。若いからって油断するなよ」

 お猪口でチビチビとやりながら気遣う言葉を口にするが、酔っ払って口調が間延びしているのも手伝って今一真剣みに欠けるように聞こえる。
スバルとの付き合いも長くなるティアナは、やはり親子は似るものなのだろうと、ゲンヤの気遣いを有難く頂戴した。

「あの、ギンガさんはどちらに?」
「ギンガは新年早々仕事でな。まあ、仕事といってもナンバーズの子らの年末年始の手伝いなんだが」
「それ……仕事なんですか?」
「おうよ。あの子らも上手くいけば今年の年越しを体験するわけだからな。予め教えておいて損はねーだろ」
「更正プログラムの一環、ということですか」
「まあな。差し入れも許可されてるし、今年の御節はかなり早めに作ったんだ。おう、そうだった」
「?」
「昼飯はまだなんだよな?」
「はい。スバルが食べてこないように言ってましたので」
「ギンガとスバルは料理が上手くてね。楽しみにしててくれ」
「はい」

 愛娘のみならずナンバーズのことを話すときまで目じりが下がるゲンヤ。
酔っ払いグタグタとしながら喋るその姿は、部下達に決して見せることは出来ないだろうと、炬燵の中で手を温めながらティアナは思った。
次に傾けたお銚子の角度が一段と鋭角になり、そろそろ空になるのだろうかというとき、台所から声が飛んできた。

「父さんはいくつ食べるー?」
「俺は二つ頼むー」
「ティアにも聞いてー」
「ティアナ。餅はいくつ食べる?」
「モ、モチ、ですか?」
「ああ。もち米を搗いてだな、こう……まあいいや。参考までに言うとだな。スバルはまず十個食べる」
「……とりあえず一つで」
「一つだそーだぞー」

 ティアナはお餅がどういうものか分からなかったが、スバルを基準に考えて一つか二つが妥当だろう。
お代わりするよりも残す方が失礼に当たると考えたティアナは、少ないほうを選択した。
しかし、"まず十個"という言葉が頭を悶々と駆け巡っていた。モチとは何なのだろう、と。
 
 
 
 
 
「それでな。ノーヴェのヤツがお前さんに会いたがってた……と言うよりは顔を見せろと言っていたな」
「や、やっぱり恨まれてたりするんでしょうか」
「根は悪い子じゃないし、それはないだろ。どっちにしろ確かめるためにいっぺん会いに行ったらどうだ?」
「……そう、ですね。一度スバルと一緒に」

 ティアナの手前、お銚子の追加を遠慮していたが黙っているわけにもいかず、何とか共通の話題がないかと悩んだゲンヤ。
それはティアナも同じで、何か無いかと考えを巡らせていれば、ふと、二人が思いついたのは隔離施設にいるナンバーズたちのこと。
ティアナから話を振り、ゲンヤがそれに答える形で二人の会話は弾んでいった。

「はーい、二人ともー。お雑煮出来ましたよー」
「おう、スバル。待ちわびたぞ」
「オゾウニ?」
「うん。はい、父さん。ティアはこっちね」

 台所からお盆になにやら湯気の立ち上るものを乗せて帰ってきたスバル。
オゾウニと呼ばれるお椀に入ったものをゲンヤ、ティアナ、そして自分において炬燵に入る。
二人はお椀だったが、スバルは鍋を一つ抱えており、毎度の事ながら何度見ても慣れないものだと内心溜息をつくティアナだった。

「やっぱ削りたてに限るね~」
「だったら父さんも手伝ってよ~」
「お前らが削ってくれたのが美味いんだよ。ティアナもぼうっとしてないで、ほれ」
「は、はい。頂きます」
「ティア。お餅は熱くて伸びるから気をつけてね? ほら、こ~んな感じで」

 はふはふと見るからに熱そうなお雑煮を頬張り、満足げなゲンヤ。
どういったものか今一図りかね、二人が食べる様子を注意深く見つめるティアナ。
その様子にスバルはレクチャーしながら一口頬張った。
見事に伸びるオモチにティアナは驚き、二人の美味しそうに食べる姿に好奇心を擽られるのでした。

「では、頂きます。……わっ、あっつ!」
「だから熱いって言ったのに~」
「指の火傷みたいに水で冷やすわけにもいかないからな。まあ用心して食べてくれ」
「はひ、そうしまふ……」
「あははは。ティアったら可愛い~」
「う、うゆはいわねっ!」

 慣れた手つきでお雑煮を食べる二人を横目にヒリヒリする舌を抱えていれば、こんな熱いものを平気な顔して平らげていくスバル。
一抹の恨めしさを覚えていたところへ、スバルのいつもの馬鹿笑い。
回らない舌で上手く反論出来ないでいるのも、更に笑いのネタになってしまった。
二人のやり取りにゲンヤまで笑い出す始末。
しかし、久しぶりの笑いのある正月にそれほど悪い気のしないティアナだった。
 
 
 

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