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新婚なの! 10-14 (2)

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これがトゥルー家族

 
 先週の土曜深夜の予告どおり、今日は麗の出番でした。


 先の土曜日はヒカルの誕生日であったわけで、そのことについて冒頭で触れられたことで、今日の日記を待つもやもや感は一掃されたのではないでしょうか。金曜日にヒカル自身がすでに日記を書いており、月曜日の当番も半ば決定していた中でしたから。


 麗は企画のメイン担当が綿雪だったところに、頼み込むぐらいですから、麗の決意の程が窺える気がします。
 別に家族の誕生日なのですから、手伝うことぐらい何てことなさそうではありますが、その事を明記するぐらいですから、自分の役割以上の働きをしたんだと思います。きっと、この日記を読んでいる彼には、そんなことなど分かっていたのでしょうけど、「少しは役に立てた、かな」という――少し自信なさげな――麗に対して、大きく頷いて上げたことだと思います。

 麗が、この誕生日会の準備を手伝ったことは、一週間心配をかけたであろう家族に対するものと、金曜日に自分をフォローしてくれたヒカルに対するモノとがあったのでしょうけど、一番は日記を拒絶するとした彼に対するものもあったのではないでしょうか。
 この「アナタと並んで――ロウソクを吹き消して――」という部分から、ヒカルと彼の誕生日は同じ(同学年ですから、同じ年齢であったとしても別の誕生日であってもおかしくはありません。しかし、別に"設定"した場合、色々とあるでしょうから(読者と彼を同一視する場合)ヒカルと同じ誕生日にすることが、一番無難だったのではないかと)であると分かり、日記を止めると面と向かって言われた彼に対する気持ちもあったと思います。二度目ではあっても、新しく家族になった彼の誕生日を祝う場の準備をすると言うことは、この日記の「みんなとも仲いいみたいだし」にあるような、あくまで自分以外とする「家族になった」というものでなく、"私自身も"という意味もあるように思えます。私は違う、とでも言いたげな――実際は違うのでしょうけど――態度から、「あなたの誕生日を祝う会を私も準備する」という態度への変化。この変化とは海晴姉さんのいう素直な愛情表現を」にも繋がってくる気がするのです。
 そんな、素直な愛情表現――ここでは愛情とまでは言い過ぎかもしれませんが――を麗は「あんまり―― いろんなこと言うの苦手なの」とし、更に「なんで言えないのか自分でもわからない」と吐露し、最後は「口に出して言うことじゃないと――」なんて結びます。

 今までの家族のやり取りをみていれば、麗の「言わなくても―― わかってるでしょ?」という考えは、当たり前になってしまう側面もあったように思えます。麗より上には多くのお姉さんが存在しており、みんな大家族の妹を持つものとして、よく相手を見て、感じて、考えて。そんな良く出来たお姉さん達がいる中であれば、麗のような甘えが生まれてしまうのも仕方ないのかもしれません。ただ、麗も家族を大切に思っており、自身にも備わっていないわけがない――青空にシールを上げたようにー―のですから、今回は偶然悪く働いてしまっただけでしょう。そして、麗自身が自分に向き合える――それを彼に報告できる。人に頼るのではなく――ようになった今では、もう心配する必要はありませんね。


 今日の日記で、喧嘩してしまった海晴姉さんへの言及はありませんでした。私たちとしては心配するところでしたが、金曜の深夜に日記を記したことで、二人の間では解決したことなのでしょうね。そのときのやり取りというのは、非常に気になるところですが、家族であって、しかもみんなが心配していた事とはいえ、やはり、二人で解決すべきことで、その結果は――もう皆の知るところであり、それ以上の言葉は必要なかったのかもしれません。
 海晴姉さんは、反発を招きそうな「鉄道好きもいいけれど、もっと他にも好きなこといっぱい作らなきゃ」という言葉にも、彼女自身の経験上から生じた言葉で――全くの想像ですが、今の自分のようなアドバイザーがいない長姉という立場において、海晴姉さんはとても苦労したのではないかと――、それも麗の性格を読んだ上で、あえて反発を招きそうなニュアンスで言ったのではないかと。ゆっくり諭すのではなく、ある程度ショック療法的であり、思った以上に反発があった感は否めませんが。
 麗には「分かっているでしょ」と同時に「どうせ分からないでしょ」という気持ちもあったように思えます。それでも、海晴姉さんに注意されて、二度目に書く日記は、趣味の話とはいえ、多くを語ってくれました。そこに見え隠れする後者の気持ちを海晴姉さんは読み取っていたのかも。その上、素直になれない麗の気持ちを動かすため、また向き合わせる為に、少々荒っぽい方法を採ったのではないか――うーん。どうかしら。


 色々ありましたが、彼とトゥルー家族、そして麗にとって新しい段階へ進んだこの一週間。バレンタインを控えた時期において、とても大きな出来事でしたね。ああ、今年の麗のバレンタインの動向が気になるわ。去年はこんな感じでしたから。


  ◆


 今回の一連のお話で、海晴姉さんもヒカルも麗も、「分かってると思う」という趣旨の発言をしています。
 私たちは、トゥルー家族と接するのは基本的に日記しかなく、そこで表現される物が全てです。霧賀ユキ先生の絵やG's本誌での連載もありはしますが。

 ですから、この「分かっているだろう」はとても重要に思えるのです。日記を毎日見ている彼は、当然、朝起きてから夜寝るまで家族と過ごしており、そこでの触れ合いから得ていることも多いです。ですから、彼女たちの発言はそのままの通りの意味を持ちますが、私たちにとってはそうではないと思うのです。
 海晴姉さんに対しては、普段から彼女がどうやって家族の長姉として振舞っているのか、それを間近で見ているわけで、麗に対してどういう意味で持って今回の行動に出たか、当然に把握しています。ですが、私たちはそれがないだけに、海晴姉さんの真意を測りかねる部分もあり、当日の「もっと他にも好きなことを~」に対して、様々な感情を――麗に同情的になってしまうなど、あったかもしれません――引き起こしたのではないでしょうか。
 ヒカルの場合も同様ではないかと思います。冒頭の「もう―― わかっただろ?」については、日記から充分に読み取れる内容ではありますが、読者の認識を後押ししたものだと思います。そして「あの子が大切に思ってないわけがないじゃないか」。読み取れた方もいらっしゃる中で、まだ「そうだったら良いな」という"麗だってちゃんと家族として認めてくれてる"というものから、先日の日記を読むに"家族だから仕方ないだけで、別に"という、未だに距離を保った態度まで、様々だったと思います。疑心暗鬼、とまでは言い過ぎでも、未だに麗は彼のことを――少なくとも表面的には――認めていないように、読み取れる部分もあったように私は感じていました。そこでヒカルの言葉に、彼も読者も安心したのではないでしょうか。その"安心"の中身も違うと思いますけれど。
 彼は、普段から多かれ少なかれ麗と接しているわけで、戸惑いはあったにせよ、彼女の自分に対する感情に安堵したのでしょう。しかし、読者としては"日記に記された麗"が全てであり、それ以上は多くを想像に(妄想かもしれません)頼らざるを得ず、今回のヒカルのフォローすら「ヒカルはそう言ってるけど、どうかな」なんて意地悪な感想も生じてしまうわけです。コレは少し穿って見すぎでしょうけど。

 麗は「言わなくても分かってるでしょ」というのを、主にヒカルや海晴姉さん、そして心配してくれた家族に向けての言葉だったと思われますが、若しかすると、知らないうちに彼に対しても向けていたように思えます。もし、この考えがあっているなら、家族に対する一種の甘え――私を理解してくれる――を、表面上認めていない彼にしていたわけで、充分に"家族"として認めていたことになり、ヒカルの「あの子が大切に思ってないわけがないじゃないか」も、安心して頷けます。(ホントに彼が嫌いなら、もっと早い段階でこの話が出てもよかったわけで、自身に素直になれなかったり、そんなコントロールできない状況に麗が我慢できなかった末の、今回の騒動だったかもしれません。一年間、というのは随分我慢強かったかもしれませんが)

 

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新婚なの! 10-14 (1)

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本屋さん

 
 少し時間ができて、寒空の中、ちょっと本屋に足を伸ばしてみる。
 時間帯が中途半端だったのか、学生などもおらず人の影は疎ら。いくつかの棚を横目に通り過ぎ、目当ての雑誌が並んでいる棚を覗くと、そこに誰もいないことを確認して何となくホッとしてみる。平積みされている中から、目当ての今月号を手に取り、楽しみにしている連載が掲載されているか確かめつつ、パラパラとページを捲っていると、不意に視界の端が暗くなった。
 誰かしら。この棚には誰もいないのだから、こんなに近くに立つ必要なんてないのに。
 拳一つ分ほどの間隔で隣に立つ人は、私とその人の間に並べられた辺りの雑誌を手に取る。それにしても距離が近いような気がする。
 何故かとても気になって、気付かれないよう少しだけ顔を傾け、隣に立った人がどんな人なのか確かめてみた。
 ――背が高いみたい。
 目の高さには肩と二の腕部分しか映らず、その顔を確認することは出来なかった。これ以上顔を上げては相手に気付かれてしまうし、これぐらいにしておこう。そもそも、隣に立った人を意識するのも変なのだし、チラチラみては失礼だ。そう思い、雑誌に目を戻す。しかし、幾らかページを捲ったところで意識が全く別のところにある事に気がついた。今開いているページの内容が頭に入ってきてないことに気付いたから。
 それを認めてしまうと、隣の人の挙動が僅かながら目と耳を通して入ってくる。耳からは、紙を捲る音は――殆んど入ってこない。ページを捲るのが遅いのかしら。それにしても……遅い。目からは殆んど入ってこなかった。あからさまに横を見るわけにはいかないのだし。そう思っても一度気になってしまえば、そんな考えも午後の雪のように脆くなり、もう少しだけ――と左のページを見る振りをして、視界を広げてみた。
 びっくりした。と同時に身体中の熱が表面を駆け巡り、そして顔から噴出してしまいそうな感覚に襲われた。その人は、私と同じ雑誌を読んでいたのだ。それだけでは、こんなになったりしない。わざわざ、私に自分が読んでいる雑誌が分かるように、ページを大きく開いていた。まだそれだけなら、人それぞれの読み方だ、と言えたかもしれない。でも、その人は少しだけ隣を見た私を"見ていた"。明らかに。開いたページでなく、私を。
 慌てて視線を雑誌に戻す。
 変な子だって思われたかしら――目の前に広がるページの内容は全く入ってこない。意識は完全に隣の人に向いてしまっている。黙っているのも変だと、一枚、ページを捲ってみる。すると、私に合わせるかのように紙の擦れる音が耳に届く。偶然だと思って、もう一度。……やっぱり、偶然じゃなかった。それから五ページほど同じタイミング。だって、さっきは全然ページを捲らなかったのに、今だけ同じタイミングだなんて。すると、次の瞬間。
 ど、どうしよう!?
 元々、僅か――と言っていいのか。それでも、誰もいない棚でこの距離は充分に――拳一つ分の隙間が、その人から埋められた。ぴったりと隣に立つ。やっぱり、背が高い。僅かに肩が見えるだけで、顔といえば顎と、肩に掛かる髪の毛だけ。それも目一杯横目で見て。ちゃんと確かめるなんてとても無理。上から視線が降ってきているのを感じるから。自意識過剰かもしれないって何度繰り返しても、どうしても覆せなかった。
 そんな進退窮まった私に対して、その人は――
「ねえ――」
 それだけ。顎が動き、喉が振るえ、声が出てくると分かっただけで頭は半分パニックに陥ってしまい、それがどんな声だったのか、ニュアンスはどうだったのか――一つも分からないまま、半分も読んでいない雑誌を音が出るほどの勢いで閉じ、平積みされている雑誌の上へどこかも確かめず、放り投げるようにして、私は駆け出した。
 人影の疎らな店内では、大きく響いたかもしれないことなど気にも留めず、自動扉が開くのももどかしく感じるほど。自分の身体ぎりぎりの隙間へ捻じ込むようにして、店の外へ出た。空の具合も、風の冷たさも何も見えない中、必死に走る。後から思えば、空はどんよりと曇り、本屋に来る前より一層と頬を突き刺すような空気が辺りを覆っていたというのに、そのときの私は全くその冷たさを感じることなく、ただ身体の内から溢れる熱に突き動かされるよう、ひたすらに走り続けた。
 

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新年あけました


 昨年の霙姉さんの日記で、どうにかトゥルー家族である読者をどぎまぎさせたのですが、その二日後には何事もなかったかのように最後を締めくくるに相応しい人選で、2008年は幕を閉じました。

 新年早々、平日であり昨年の動向から、更新があるかもと思いながらも、なくて当然だと思っていたところに新年に相応しい(?)テンションの高さで日記更新!
 二日は、海晴姉さんが昨日と同じ晴れ着で(髪型が違うだけで、こうも印象って変わるものかしら!)、霙姉さんとのツーショット。なんと普段は更新のない土曜日には貴重な(日記での絡み自体はあるのですけど)この二人。そして、今年最初の日曜日には元気印なこの二人の出番です。
 年末から年明けにかけて、霧賀ユキ先生の可愛いイラストを立て続けに見ることが出来て、しあわせしあわせ(はぁと ではないのでしょうか。
 しかし、新年のトゥルー家族からの贈り物といえば、そう! 年賀状!(どうしようかと思いつつ、結局は全員分登録をしてしまったのですけど)時間を見ると、末っ子のあさひさんを筆頭に、順々到着なされたようです。
 去年も年賀状はありましたが、今年のこの気合の入りよう! コメントが一人ずつ違うとはありましたが、その個性溢れるコメントに、新年早々顔が綻びっぱなしです。
 この勢いで、2009年も素敵なトゥルー家族と一緒に過ごせていけたらいいですね。

 

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