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新婚なの! それから 4

 復帰して直ぐに出動があって、二日以上も家を空けてしまうことになった。
 その日は、家にようやく新しい玄関ドアが到着することになっていて――年始なのは分かるけど、ちょっと遅すぎやしねーか?――、なのはが一人で大丈夫か少し心配だった。
 今回のような大規模災害のときの出動ってのは、犯罪者を追っかけるより気を使う。
 その旨の訓練を受けているとはいえ、専門にやっている連中の足を引っ張らないか心配だったり。
 あと、人や物への被害が、目の前に突きつけられるってのもある。
 アタシはどっちかと言わなくても、モノを壊したりする方が得意だ。だから、こういうときには何かと重宝される方だ。
 けど、何も考えずに壊せば良いわけもなく、人を助けるのと同じぐらい、これも気を使う作業で兎に角疲れる。
 そんでも、やりがいのある仕事だと思うから、ちっとも気にはならないけど。

「うひー。疲れた」

 そんなこんなで、三日ぶりの我が家だ。
 気にならないなんて言ったけど、やっぱり疲れるものは疲れる。
 玄関ドアは、結局前と同じデザインにした。
 色々見たけれど、家だけ他の家とあからさまに違うのも気が引けたし。よく分かって良いけどさ。
 そんな、新しいけれど見慣れた玄関を前にすると、ホッとして力が抜けそうになる。
 ああ。とりあえず、このまま一眠りしたい気分だ。

「ただいまー」

 玄関を開けて、ただいまの挨拶をする。
 ――なのはが出てこない。
 これから帰るって連絡してるのに。なんか手が離せないんだろうか。ちょっとどっかに出かけたか?
 仕方ねーなーと思いながら靴を脱ごうとすると、足元に見慣れた靴があった。
 ――フェイトだ。

「おーい、なのはー」
「はいはーい。おかえりー、ヴィータちゃ~ん」

 二度目に声が返ってきた。
 なんか奥でドタバタしているらしくて、ドアの向こうが五月蝿い。これのせいで、アタシが帰ってきたのに気付かなかったんだろうか。いや、違うな。
 フェイトもいるみたいだし、そっちに気をとられてたんだろ。きっと。
 声は返ってきたのに、ドアからなのはの顔は覗かない。
 べ、別に出迎えて欲しい訳じゃねーぞ。アタシはいつも出迎えてやってるのにとか、疲れてるときは荷物持ってやるのにとか、別にそんなこと思う訳でもないからな。
 疲れた身体を引きずりながらブツブツ文句が口から漏れてると、ドアが開いて金髪が覗いた。

「おかえり、ヴィータ」
「ああ、フェイト。どうしたんだ、こんな時間に」
「え? なにって……まさか」
「――なんだよ、気になるなあ」

 表情が曇ったかと思うと、サッと顔を引っ込めてしまった。
 こりゃなにかあるな。
 不安を抱えてドアを開けると――いつも通りのリビングが目に飛び込んできた……と思いたかった。
 今までソファーに大人しく座っていましたよー感を目いっぱいアピールするなのは。
 お前、そんな背筋伸ばしてねーだろ。
 その隣に座りながらも、そわそわと視線を泳がせるフェイト。
 お前、正直だなホント。
 はっきり言って、怪しさ全開だった。

「お帰り、ヴィータちゃん」
「……おい、なのは。なんか隠してねーか」
「う、うーん。それを今聞いちゃうかなあ」
「今聞かなきゃ、いつ聞くんだよ! ほれ、なのは! 言え、吐け!」
「ぐぎぎぎ! お、落ち着いて、ヴィータちゃん!」

 ソファーで一人、澄ました顔をしているなのはに掴みかかると、敵も去るもの。なのはも全力で抵抗する。
 フェイトはどっちの味方をして良いのか判断し兼ねてるんだろう。一人おろおろしている。

「おい、フェイト! ここはアタシの家だぞ! アタシに味方しろ!」
「だ、駄目だよフェイトちゃん! いまヴィータちゃんの味方をしたら追い出されちゃうよ!」
「えっ、なのは!?」
「なんだ、今の追い出されるってのは!」

 なのはがしまった!という顔をする。
 その隣で、フェイトは何とも言えない顔をしていた。
 どうやら、この「追い出す」というのがキーワードらしい。
 こりゃ、どうしても吐かせないわけにはいかなくなった。フェイトも巻き込まれているみたいだしな。

「ぐぐぐ! お、落ち着こうよ、ヴィータちゃん! 先ず、この手を離して!」
「なに言ってんだ。お前が素直に吐けば済むだけだぞ。ほれ、なにを隠してんだ~」
「ヴィ、ヴィータ。あ、あのね、私が言うから。その手を離して? ね」
「ほ、ほらあ。フェイトちゃんもこう言ってることだし」

 なんか、アタシが悪いみたいな空気になってる。
 なのはに言われて離すのは癪だけど、フェイトが言うなら仕方ない。渋々手を離すことにした。
 息を整えながら、服の乱れを直すなのは。その横で、気まずそうに眉をハの字にしているフェイト。
 またなんかやらかしたな、なのは……

「ほれ。正直に言え」
「怒らない?」
「守れない約束はしない。だから、駄目だ」
「えー……」
「なのは? やっぱり説明してなかったんだ」

 珍しく厳しい口調のフェイトに、なのははえへへへ、と誤魔化すように笑った。
 お前、やっぱりと言われてるんだぞ。一番の親友にやっぱりとか言われてるんだぞ。笑ってる場合じゃねーぞ。

「……はあ、仕方ない。なるだけ努力するからよ、さっさと言えって」
「うん。えっとね。実は、フェイトちゃんのね、海での仕事は一回の任務が長いって知ってるよね? だからこっちに帰ってくるのは、あんまりないって……」
「ああ、それは知ってるよ。そんな今更。それがどうかしたかよ」
「それでね。家賃が無駄になっちゃうよねえって、そういう話をしてて……」
「ああ、それも知ってる。寄付してるようなものだから、無駄だなあって話をアタシともしてたんだよな。なあ、フェイト」

 フェイトはゆっくりと頷くけれど、どうにも具合が悪そうだ。

「うん、だからね」
「うん。だから?」
「だから――フェイトちゃんに越してきてもらったの」
「――はあ?」
「あ、あのね。元々、フェイトちゃんの家はほとんど物がないの! 遊びに行ったときも殺風景だねってフェイトちゃんが。それでね? このぐらいなら、こっちの家にも入るよーって。それで……」
「…………」
「ご、ごめん、ヴィータ! なのはったら、ヴィータが快諾してくれたなんて言うから、すっかり私もその気になっちゃって。前にこの話してたし、だから知ってるものだとばっかり……」

 確かに、そういう話をフェイトとしてたのは事実だ。
 その流れで家を引き払ってしまおうか、と言っていたのも事実だ。
 だけどよ。
 だからといって家に引っ越してくるとか、そんな展開を誰が思いつくんだ?
 全くの予想外だろ。
 でもそれ以上に……フェイトにしてはなんか迂闊な感じだ。

「ほとんど帰ってこられないし、二人の生活は邪魔しないから! ホント、荷物を置かせてもらえれば助かるなあって思うだけで……ごめんね、ヴィータ。駄目なら母さんに来てもらうから」
「……いや、いいよ。ここまで来て、今更追い出せないだろ」
「ヴィータ、本当にゴメン」
「フェイトがそういうつもりなら、お前も話は聞いてるんだろ?」
「……うぅ、そう言ってもらえると有難いです」

 駄目だといえば、直ぐにでも出て行きそうな雰囲気だしな。なのはも珍しく凹んでる。
 アタシだって、フェイトに相談されたら同じことを言っただろうし、それをなのはがやったからといって駄目だと言うつもりはねーよ。一言相談が欲しかったってのが本音だけど。
 まあ、毎度のことだと思えば腹も立たない。
 なのはと付き合ってて、このぐらいのことで一々ひっくり返ってたら、アタシは逆立ちで生活しなくちゃならなくなるもんな。
 ただ、調子に乗られても困るので一応怒っておくけどさ。

「なんで黙ってたんだよ。若しかしたら断られるとでも思ったのか?」
「そ、そういうわけじゃないけど……」
「ふうん。ホント、今度からこういうことは前もって相談しろよ」
「う、うん。で、でもね、ヴィータちゃん」
「あんだよ」
「相談しようとした日に出動がかかっちゃってね? それきり帰ってこないんだもん」
「……あのさ。そんな急に決めたのか?」

 ちょっとだけ反論したなのはは、ちょっぴり口を尖らせてうんうんと頷いた。
 フェイトを見やると、相変わらずの眉毛で軽く頷いた。

「なんだよ。アタシが悪いみたいじゃねーか。それならメールの一つも入れろって」
「調べたら凄く忙しそうで、こんな相談もちかけたら仕事に差し障るかなあって、そう思って……」
「まあ、こんなこと聞かれちゃ、仕事どころじゃなかっただろうけどさ」
「だから……ごめん、ヴィータちゃん!」
「私からも謝るよ。ごめんね、帰ってきて早々、こんなことになっちゃって」

 二人に頭を下げられたら、もう、なにも言えない。
 そうでなかったとしても、今更なんか言ったりするつもりもないけどさ。
 それにしたって、この様子じゃホントにアタシが悪いみたいだ。
 この貸しは高くつくぞ、なのは。

「つ、疲れたでしょ? ほら、脱いで脱いで! 私が片付けてきてあげる!」
「こっち座って、ヴィータ。よければ、膝も貸すから」
「い、いいったら! 変に気を使うなって。フェイト、なんで膝枕なんだよ」
「え? だってこういうとき、クロノがエイミィにしてもらって――あっ」
「……ふうん。それなら仕方ない」
「あ、あ~ん! 駄目、いまの忘れて! お願いだから、二人とも!」

 すがり付いて懇願してくる。
 なのははアタシの制服とコートを持って、さっさと部屋に引っ込んでしまった。
 こういうチャンスは逃さないタイプだと思ってたのに……どういう心境の変化があったのやら。
 フェイトは、どうやって取り繕ったらいいのか分からない、といった顔をしている。
 眼下にフェイトを見る――うーん。これは可愛い。
 しっかり抱きつかれてる。押し付けられる柔らかな膨らみと漂ってくる甘い香りに包まれて、なんだかとっても良い気持ち。
 仕事をしているときとのギャップというか、それを知っているだけに、頼むと抱きついてくるフェイトが可愛くて堪らない。
 これなら一緒に生活しても良いよなあ。
 あーあ。これでこの快感を味わえるのはアタシとなのはだけかー。
 二人でなら、なのはの世話だって楽になるだろうし。

「ああ、分かったよ。今のことをフェイトが言いふらしてたって、誰にも言わないからさ」
「言いふらしてなんてないったら~。ねえ、ヴィータ~」
「へへへ、分かったよ。泣くなって。よしよし……さて、疲れてるからさ、ちょっと横になる」
「皺になっちゃうよ」

 ソファーに寝っころがりながらフェイトの言葉に笑ってしまった。
 見上げると、なんでアタシが笑ってるのか分からなくてちょっぴり不満そう。
 だってよ。フェイトまで同じこと言ってるなんて分かれば笑うだろ。
 元々はこっちの世界の人間だってのに、すっかり日本での習慣が染み付いてるんだからさ。

「ねえ、なにが可笑しいの?」
「なーいしょ。それよりさ、晩ご飯どーすんのさ。越してきてるならこっちで食べてくんだろ?」
「う、うん。明日はここにいるけど、明後日からまた任務なんだ」
「ふうん。相変わらずのこととは言え、大変だな。ところで、荷物はどこに突っ込んだんだ?」
「ええっと……あの部屋。なのはが、ここなら大丈夫だって言うから」

 寝転んだまま、首だけ上げて、フェイトの指差す先を見れば、そこはなのはの部屋だった。

「よく入ったな。まあ、なのはも元々あんま持ち込んでなかったけどさ」
「うん。私はどっちかというと、艦のほうに積んでるから、家にはホント寝たりする分の最低限のモノしか置いてなくて。後は必要な分を実家から送ってもらえるし」
「ふーん。まあ、入ったんなら問題ないや。それにしても、こっちの引っ越し業者って仕事早いな」
「日本の業者さんも早いと思うよ」
「おかげで、アタシは随分驚かせてもらったけど」

 ちらっと視線を送ってやると、がっくりと肩を落としてションボリしていた。
 可愛いなあ……
 可愛いけどこれ以上やると可哀相になるし、このぐらいにしておこうっと。
 あとは、なのはに目いっぱいなんかしてやれば良いしさ。

「ヴィータちゃん、フェイトちゃん。晩ご飯は私が作るね」
「あ、私も手伝うよ」
「ううん、フェイトちゃんは座ってて。たまには私もしないとね。忘れちゃいそうだし」
「それだったら別に……」
「良いんだって、フェイト。ホント、たまにはやらせないと忘れちまうからな。頑張れよ、なのはー」

 見えていないだろうけど、寝転んだまま手だけでヒラヒラとすると「えー。ヴィータちゃんは手伝ってくれなきゃー」と声が聞こえてきた。
 アタシは疲れてるんだぞ。大体、ご機嫌取りに今日はやるんじゃなかったのかよ。手伝うのなんて勘弁だからな、無視を決め込んでやった。
 あー、疲れた疲れた。
 ホント無駄な疲れだ。

「ねえ、ヴィータ。今日は本当にありがとうね」
「うん? なにさ、どうしたんだよフェイト」

 覆いかぶさるようにして、アタシを見下ろしている。
 なんだか眠そうだ。少し甘えるような声だからか?――いや、勘違いだろ。
 さっきまであれだけ騒いでおいて、そんな直ぐ眠たくなるなんて……子供じゃあるまいし。
 でも、なんていうか、やっぱり目がとろんとしているように見える。紅い瞳が熱を帯びているようにも。

「私が越してきたの、なにも言わないでいてくれて」
「……んだよ、そんなことか。そりゃ、驚いたぞ? でも、前にも聞いてたことだし、反対する理由もねーしさ」
「私が言うのもなんだけど、ヴィータとなのはは新婚だし……」
「う、うーん。そう言うけどさ。何年か一緒にいるとあんまそんな感じしないぞ? 今更って感じでさ」

 フェイトは、そうなの?と不思議そうな顔をした。

「え、えっと。ちゃんとお家賃も払うから。なのはは別に良いよーなんて言ってたけど」
「……そういうのは自分で払ってから言えっての」
「ふふふ。やっぱりヴィータったら、なのはに甘いんだから。甘やかしすぎだよ?」
「そうか? なんとなく、お前の方が甘やかしてそうだけどな」

 フェイトは返事の代わりに、アタシとソファーの隙間に身体を滑り込ませた。
 金色の前髪が、アタシの胸に乗っかっている。甘い香りが一層強くなって、胸がいっぱいになる。

「ちょっとくっ付きすぎじゃねーか?」
「なのはがヤキモチ妬いちゃうかな? 離れようか?」
「そういう言い方されると駄目だって言いづらいな。ヤキモチなんざ妬かれねーし、それを面白がる気もしないからなあ。くっついてて良いぞ」
「うふふ。ありがと」

 言い終わらないうちに、左手をアタシのわき腹に伸ばしてきた。ぎゅーっとくっつく。
 顔が完全に乗っかっている。枕代わりにしてるつもりなのか。
 ブラウス一枚だと、フェイトが触ってるのがはっきりと分かって、なんだかくすぐったい。

「どうしたんだよ、ホント。疲れたのか? 引っ越しって、疲れるけどさ」
「うん。ちょっと……疲れちゃったのかも」
「そっか。なら、なのはが晩ご飯作るまでそうしてろよ。少し寝るぐらいの時間はあるだろ」
「うん。ありがとう、ヴィータ」

 フェイトは本当に寝てしまいそうだった。
 若しかして、アタシが帰ってきた頃には既に眠たかったんだろうか。
 なにかと気を張り詰める仕事だし、こうやって気の置けない間柄だとホッとして気が緩むのか?
 それなら、アタシとしてはなんか嬉しいけどさ。
 右手で抱え込むようにして、眠そうなフェイトの前髪をそっとかき上げた。

「相変わらず、気持ちの良い髪してんな」
「ヴィータこそ。今日は一寸荒れてるけど」
「一回汚れを落としただけだからさ。まあ、一回でも出来れば御の字だけど」
「そんなに?」
「一刻を争うからな。よっぽど汚れなきゃやってる場合じゃねえよ」
「まさか、三日間動きっぱなしだったんじゃ……」
「ま、まさか。幾らなんでも体力がつづかねーって」

 言い終わるや否や、わき腹をぎゅーっと抓られる。

「嘘吐くの苦手だよね」
「……お前に言われると、流石に傷つくな」

 くすくすと肩を揺らすフェイト。
 こっちまで身体が揺れる。

「あのね、ヴィータ」
「なんだよ」
「私……ヴィータのこと、好きだな」
「――なんだそれ」
「だって、こんなに可愛いんだもん。なのはが好きだって言うの、分かるよ」
「そうか? まあ、好かれて悪い気はしねーな。それがフェイトってのなら尚更だ」
「ありがとう。あのね、こうやって……なのはと、そしてヴィータと一緒にいられるの。とっても幸せだな、私」

 更に、目がトロンとなる。
 眠たいからなのか、違うのか。アタシには分からなかった。

「ホント言うとね。ちょっとだけ……打算もあったんだ。二人と一緒に居たくて」
「ふうん。なら、良かったじゃねーか」
「うん。我侭言ってごめんね」

 気にすんな、という代わりに頭を撫でてやった。

「あーあ。これではやても居てくれりゃなあ。捜査官とかさ、部隊研修で全然いねーんだもん。前みたいに全然一緒にいられねーんだぞ? つまんねーの」

 お腹の辺りでモゾモゾ動くのがくすぐったい。
 今のフェイトは、やけに幼く見える。
 眠たくなると、みんなこんな感じなんだろうか。

「そうだね。みんなと……一緒に居られなくなるのは、寂しいよね」
「仕事だとはいえ、やっぱりな。そんでも、来年は一緒か。機動六課かあ。大丈夫かなあ」
「大丈夫だよ。なのはとはやてがいるんだもん。大概のことは、なんとななっちゃうよ?」
「アタシらもいるしな。無茶する人間が多いから、止めるのに苦労するかもしんねーけどさ」
「ふふふ。そうだね……」

 眠そうなフェイトを見ていると、アタシまで眠たくなってきた。
 そういや疲れてたんだし、家に帰ったらすぐにひっくり返って一休みするつもりだったんだ。
 それを、なのはのせいでこんなことになって……全く、しょうのないヤツだ。

「ふわ~あ。ちょっと寝るかあ……」
「うん。私も、本当……眠たくて」
「んじゃな、お休みだ……フェイト」
「おやすみ、ヴィータ」

 フェイトの髪を触り、胸でその重みを感じながら瞼を閉じる。
 真っ暗になる中。さっきの「好きだな」ってフェイトの言葉が、頭の中をぐるぐると回りだす。
 今更になってドキドキしてきた。
 なのはに言われたときもドキドキしたけど、フェイトに言われても同じぐらいドキドキする。
 鼓動が、耳に響く。
 アタシ、思ったより気が多いのかもしんねーなあ……
 フェイトの体温と、匂いと、重みと、手触りを感じながら、意識が沈んでいった――


 おわり。

 

 

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